「その他の情報」の概要
この項目には、安全上重要であるがこれまでの項目名に直接関連しない情報を記載する。例えば、特定の訓練の必要性、化学品の推奨される取り扱い、制約を受ける事項などを記載してもよい。また、出展をここに示してもよい。
「その他の情報」の記載例
硫酸の場合
参考文献
- ISCS（J）(2000)
- HSDB(Access on Feb 2006)
- Ullmanns(E)(5th. 1995)A25:p.635-642
- SRC(Access on Feb 2006)
- 溶剤ポケットブック(1994)p.815-818
- SIDS(2001)
- ATSDR(1998)
- SIDS(1998)
- IARC(1992)
- AQGIH(2004)
- NTP(2005)
- DFGOT(vol.15.2001)
- SIDS(2003)
災害事例
- 硫酸工場で、定期修理が終わったので、総合試運転を行っていたところ、フランジのボルトがまだ締め付けてなかったため、硫酸が噴出して薬傷を負った。
- 硫酸ポンプの修理ができたので、これを取り付けようとしたがフランジが合わないので、取付穴の心合わせのため、ビニル管を無理に動かしたところ、ストップ弁の取り付け箇所から折れ、真下で作業していた者が硫酸を浴びた。
- 石油工場で濃硫酸がしみ込んだぼろ布と廃油、ヒマシ油、切削油などがしみ込んだ布を一括して廃棄したため、自然発火した。
- 薄液（原子炉廃棄物を固形化し処理するもの）注入タンクまで硫酸を圧送するとき、硫酸が流れなかったため、バルブを点検しゆるめたところ、硫酸の流出が激しくなりバルブを閉めたところ、霧状に硫酸が噴き出し被災した。
- 硫酸貯蔵タンク移転作業で供給管内に沈着したかすをハンマーでたたき落としていた時爆発が起こり2名が火傷を負った。かすの中の亜硫酸塩が爆発の原因と考えられる。
- 設備工事を行っていた工場内で、トラッククレーンを走行中ジブが硫酸移送用配管に接触し、破損個所から流出した硫酸により薬傷を負った。
- 硫酸希釈タンクの外壁塗装の準備でサンダーがけをしていたところ、上部の濃硫酸滴下閉止フランジがはずれ濃硫酸が漏れ、これを浴びて被災した。
アセトンの場合
参考文献
- Merck(13th, 2001)
- ホンメル（1991）
- ACGIH（2001）
- SIDS（1999）
- ICSC（J）（1994）
- HSDS（2005）
- EHC 207（1998）
- ATSDR（1994）
- NIOSH：Registry of Toxic Effects of Chemical Substances(2003)
- S.Oallade et al: Arch Mal Prof Med Trav Secur Soc 28. 505-516(1967)
- NTIS:PB86-143435. Monograph on Human Exposure to Chemicals in Workplace : Epichlorohydrin(1986)
- 化学物質の危険・有害便覧 中央労働災害防止協会（1992）
- 後藤稠 他編：産業中毒便覧、医歯薬出版（株）（1994）
- 通産省公報 昭和50年8月27日
- Patty’s Industrial Hygiene and Toxicology, 4th ed. Vol.2 Part D(1994)
- ザックス 有害物質のデータブック 藤原鎮男監訳 丸善 (1990)
- 通産省：化審法の既存化学物質安全性点検データ集（1992）
- Occupational Safety and Health Guidelines for Chemical Hazards, NIOSH(1978)
- R.W.Hann Jr et al Water Quality Characteristic of Hazardous Materials. Texas A＆M University.
- A Leo et al Chmical Reviews 71(6). 525(1982)
- 染色体異常試験データ集 石館 基監修 LIC（東京）（1987）
- 溶剤ポケットブック（1997）
- Howard(1997)
- IMO IMDG CODE(2004)
- PHYSPROP Database
災害事例
- 葉緑素を抽出する工程で、抽出缶に蚕糞とアセトンを入れ、蒸気を吹き込んで加熱（70～80℃）させたところ、弁の誤操作のためアセトン蒸気が缶外に漏れ、引火した。
- 電気機械製造工場において、シリコン板の脱脂作業をしていた作業者が異臭を感じ点検のため、アセトン廃液回収缶（18L）の栓に手を触れたところ、缶が破裂、引火した。このため作業者は全身に火傷を負った。
- 真空ポンプをアセトンで洗浄していたところ、アセトン蒸気を吸入し、頭痛ｍめまいを起こした。
- 合板表面の樹脂加工作業中、発散した樹脂溶剤のアセトンが空調不調により室内に充満し、2名が頭痛、めまいなどの中毒症状を起こした。
- ポリエチレン製のアセトンタンクに塩化シアヌルを投入中、タンクの中のアセトン蒸気に引火し、作業員が火傷、両目の薬傷を負った。
- 有機溶剤の廃液回収処理装置内のスラッジを取り出すため二を解放したところ、内部に滞留していたアセトン蒸気を吸入して被災した。
- 写真用フィルム感光色素の中間原料製造中、ハッチのｐHを測定しようとして、ハッチを開けたところ、ハッチから噴出したアセトンを含むガスを吸い込んで被災した。
- 前日使用した工具を洗浄するためアセトンの入った容器に工具を浸し工具の洗浄を行うため、容器のアセトンの入れ替えをおこなったところ気分が悪くなり被災した。