目次
感作性の一般事項
感作性とは、抗原に対して感じやすい性質のことであり、アレルギーのことである。感作性には2つの段階が含まれる。
最初の段階は、アレルゲンへのばく露による個人の特異的な免疫学的記憶の誘導である。
次の段階は、惹起、すなわち、感作された個人がアレルゲンにばく露することによって起こる細胞性又は抗体性のアレルギー反応である。
通常、皮膚および呼吸器感作性では、惹起に必要なレベルは、誘導に必要なレベルよりも低い。
化学物質が特異的な呼吸器過敏症を誘導する可能性があるとする証拠は、通常、ぜん息として観察されるが、鼻炎、結膜炎および肺胞炎のようなその他の過敏症などの可能性もある。
呼吸器感作性の区分
区分1
次のいずれかの場合、呼吸器感作性と分類する。
a)ヒトに対し当該物質が特異的な呼吸器過敏症を引き起こす証拠がある。
b)適切な動物試験によって要請結果が得られている。
区分1A(強い呼吸器感作性物質)
人で高頻度に症例が見られる、又は動物若しくは他の試験に基づいたヒトでの高い感作率の可能性がある。反応の重篤性についても考慮する。
区分1B(ほかの呼吸器感作性物質)
ヒトで低~中頻度に症例が見られる、又は動物若しくは他の試験に基づいたヒトでの低~中の感作率の可能性がある。反応の重篤性についても考慮する。
皮膚感作性の区分
区分1
次の(a)(b)いずれかの判定基準によって、皮膚感作性物質と分類する。
(a)相当な数のヒトに、皮膚接触によって過敏症を引き起こす証拠がある。
(b)適切な動物試験によって陽性反応が得られている。
区分1A(強い皮膚感作性)
ヒトで高頻度に症例が見られる及び動物での高い感作能力からヒトに重大な感作を起こす
可能性が考えられる。反応の重篤性についても考慮する。
区分1B(ほかの皮膚感作性物質)
ヒトで低〜中頻度に症例が見られる及び/又は動物での低〜中の感作能力からヒトに感作を起こ
す可能性が考えられる。反応の重篤性についても考慮する。