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中性化のメカニズム【湿度との関係】

○中性化とは
 中性化とは、一般に空気中の二酸化炭素の作用を受けて、コンクリート中の水酸化カルシウムが徐々に炭酸カルシウムになり、コンクリートのアルカリ性が低下する現象をいう。炭酸化と呼ばれることもある、
 Ca(OH)₂+CO₂→CaCo₃+H₂O
 水酸化カルシウム+二酸化炭素→炭酸カルシウム+水

○中性化による影響
 コンクリートが中性化すると鉄筋の不動態皮膜が破壊されやすくなるため、水や酸素が浸透し鉄筋に錆が発生し構造物の耐荷性や耐久性が損なわれる。中性化してもコンクリート自体の強度が低下するわけではないので、無筋コンクリートの中性化は問題にならない。

 

○中性化の環境条件
・二酸化炭素濃度が高いほど中性化速度が早くなるため、室内のほうが中性化が進行しやすい。
・ひび割れや豆板などの欠陥部が存在すると、そこから中性化が進行しやすくなる。
・温度が高いほど中性化の進行が早い。
・湿度が40〜60%で中性化の進行が最も早い。(下記補足説明)

 

○湿度と中性化速度の関係
1.二酸化炭素の侵入
 中性化は大気中の二酸化炭素がコンクリート内に侵入することによって生じるが、その侵入速度はセメント硬化体や骨材の空隙量に依存する。また、コンクリート内での二酸化炭素の拡散は水分で閉塞されていない部分で起きるため、コンクリートの含水比が影響する。
 したがって、二酸化炭素の侵入は水分が少ない乾燥したコンクリートほど早い。
2.炭酸化反応
 中性化は二酸化炭素とコンクリートが化学反応を起こし、炭酸化することで進行する。炭酸化反応には水分が必要なため、湿潤な環境ほど炭酸化反応が促進される。
 したがって、炭酸化反応は水分が多いコンクリートほど早い。
3.湿度と中性化速度の関係
 上記1・2より中性化速度は二酸化炭素の侵入と炭酸化反応のバランスが取れる湿度40~60%で最も早くなる。
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