○概要
プルアウト法とは局部破壊試験の1つである。コンクリート表層に埋め込み具をセットし、反力リングを用いて円錐台状のコンクリートコーンを引抜き、引抜くのに要する最大荷重から圧縮強度を推定する。
※局部破壊法とは、コンクリートの表層部を局所的に破壊し、破壊時の抵抗力を指標として圧縮強度を推定する試験法である。
プルオフ法(pull-off test:引張試験)
プルアウト法(pull-out test:引抜試験)
ブレークオフ法(break-off test:曲げ折り試験)
空気圧式ピン貫入法
などがある。
○試験方法
プルアウト法は「プレセット型」と「ポストセット型」の2種類がある。プレセット型は埋め込み具をコンクリート打ち込み前に予めセットし、硬化後に試験を行う。ポストセット型はコンクリート硬化後にドリルで削孔して埋め込み具をセットし、試験を行う。ポストセット型の利点は硬化後のコンクリートに新たに埋め込み具をセットするため汎用性が高い点であるが、デメリットは埋め込み具の取り付け精度や引抜時の定着部のすべりなどにより結果がばらつく点である。
○調査手順
- プレセット型の埋め込み具はコンクリート打ち込み前に型枠に取り付けるか、フレッシュコンクリート表面の水平面に埋め込む。ポストセット型は専用ドリルで埋め込み具を設置する。
- 試験位置は隣接する試験位置との中心間隔が加力プレート直径の3倍以上、コンクリート端面からの距離が加力プレートの2倍以上とする。
- 埋め込み具に載荷装置と荷重計測装置を連結させ、載荷速度は最大荷重までの時間が1.5±0.5minとなるように一定とするが、最大荷重の1/2までは比較的速い速度で荷重を加えてもよい。
- 引抜荷重の最大値を引抜き耐力とする。
- 試験位置1箇所について4点の試験を行い、その平均を代表値とする。