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塩(えん)とは【中和の副産物】

○塩(えん)とは
 「酸の陰イオン」と「塩基の陽イオン」が結合した化合物のことである。

○酸とは
 酸とは水に溶けて水素イオン[H⁺]を出すものである。
 塩酸[HCl]の場合、塩酸が水に溶けると水素イオン[H⁺]と塩化物イオン[Cl⁻]になる。水に溶けた時に水素イオン[H⁺]を出すため、塩酸は「酸」である。上記の塩(えん)の定義にある「酸の陰イオン」は、塩酸の場合は塩化物イオン[Cl⁻]である。
 塩酸[HCl]→ 水素イオン[H⁺]+ 塩化物イオン[Cl⁻]

 

○塩基とは
 塩基とは水に溶けて水酸化物イオン[OH⁻]を出すものである。
 水酸化ナトリウム[NaOH]の場合、水酸化ナトリウムが水に溶けるとナトリウムイオン[Na⁺]と水酸化物イオン[OH⁻]になる。水に溶けた時に水酸化物イオン[OH⁻]を出すため、水酸化ナトリウムは塩基である。上記の塩(えん)の定義にある「塩基の陽イオン」は、水酸化ナトリウムの場合はナトリウムイオン[Na⁺]である。
 水酸化ナトリウム[NaOH]
→ ナトリウムイオン[Na⁺]+ 水酸化物イオン[OH⁻]

 

○塩(えん)の生成の例
 塩酸[HCl]と水酸化ナトリウム[NaOH]の中和反応の場合
 塩酸[HCl]+ 水酸化ナトリウム[NaOH]
→[H⁺]+[Cl⁻]+[Na⁺]+[OH⁻]
→[H⁺]+[OH⁻]+[Na⁺]+[Cl⁻]
→ 水[H₂O]+ 塩化ナトリウム[NaCl]
 となる。
 この時、「酸の陰イオン」である[Cl⁻]と「塩基の陽イオン」である[Na⁺]の化合物である塩化ナトリウム[NaCl]が「塩(えん)」である
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