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コアによる強度推定【強度推定の王様】

○概要
 コンクリート構造物の強度を調べる方法は「コアによる強度試験から求める方法」「反発度から強度を推定する方法」「局部的な破壊試験により強度を推定する方法」などがある。この中で「コアによる強度試験から求める方法」が最も信頼できる方法である。

○コア採取位置
  1. コア採取位置は調査の目的に応じて構造物全体に均等かつ構造物の状況が判断できるような位置を選定する。
  2. ひび割れやコールドジョイント等の欠陥部やその近傍は避ける。
  3. 部材厚の薄い壁や床は避ける。
  4. 柱や壁などの鉛直部材では高さ方向により強度に差が生じるのを考慮する。打ち込み面のほうが強度が小さくなる。

 

○コア採取作業
 コアの採取位置が決まったら、その位置でのコンクリート内部の鋼材や配管の位置を正確に把握する必要があるため、鉄筋探査や設計図を確認してコアの最終位置を決定する。
 コア供試体の直径は粗骨材の最大寸法の3倍以下としてはならない。一般の鉄筋コンクリート構造物では粗骨材の最大寸法は20mmまたは25mmなので、コアの直径は60〜75mmあればよいが100mmのほうが望ましい。

 

○切削トルクとコア供試体の強度
 切断トルクが一定より大きくなるとコア供試体の強度は小さくなる。普通コンクリートの場合、切断トルクが14.7N·mを超えると強度が小さくなる。

 

○小径コア
 近年、コアの直径が20〜30mm程度の小径コアを用いてコンクリート強度を推定する方法の研究が進められている。
 メリットは
  1. コアが小さいため構造物への影響が少ない
  2. コンクリート内の鋼材を損傷する恐れが少ない
  3. コア採取後の補修が容易にできる
  4. 試料が小さいので、圧縮試験機が小型の物で強度の測定ができる

デメリットは骨材の影響を受けやすいという点がある。

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