○硫酸[H₂SO₄]とは
酸性の液体で、無色である。化学薬品として最も大量に生産されている。硫酸の性質は濃度によって大きく異なる。濃度が90%未満の水溶液を希硫酸といい、濃度が90%以上の水溶液を濃硫酸という。
○酸による劣化
硫酸[H₂SO₄]などの強い酸はセメント水和物を分解して、コンクリートを著しく侵す。
○下水道施設における微生物腐食
下水中に含まれる硫酸塩が嫌気性細菌である硫酸塩還元細菌により還元され、硫化水素[H₂S]が生成される。この硫化水素[H₂S]が流水の乱れで気相中に放射されると、好気性細菌である硫黄酸化細菌によって酸化され、硫酸[H₂SO₄]が生成され、コンクリートが侵食される。
○硫酸塩土壌での劣化
硫酸塩土壌では水の影響を受けて硫酸[H₂SO₄]が生成される。土壌に接していないコンクリートが乾燥状態だと湿度勾配が生じ、土壌から水分を吸い上げる。その際に水分と共に硫酸がコンクリート中に侵入し、劣化が生じる。その後、コンクリートが乾燥すると、硫酸が濃縮され劣化速度が速くなる。