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高炉セメント【Blast(爆風)−furnace(窯)−cement(セメント)】

○高炉セメントとは
 高炉セメントとはセメントに高炉スラグを混合したものである。高炉スラグには潜在水硬性があり、ポルトランドセメントの刺激によって次第に硬化する。高炉セメントは初期強度は小さいが長期強度は大きい。また、化学抵抗性、耐熱性、水密性、アルカリシリカ反応抑制などに効果がある。
 高炉セメントは高炉スラグ微粉末の置換量によってA・B・Cの3種類があり、A種は5〜30%、B種は30〜60%、C種が60〜70%である。一般的によく用いられる「BB」という記号は「高炉セメント(Blast furnace cement)」「B種」という意味である。高炉セメントA種の場合は「BA」、高炉セメントC種の場合は「BC」と表記する。

○高炉スラグ微粉末
【概要】
 製鉄所の高炉から排出された溶解状態のスラグに水や空気を拘束で大量に吹き付けて急冷粒状体とし、これを微粉砕して調整した物である。
【歴史】
1986年:土木学会が高炉スラグ微粉末の品質規格案を策定
1988年:「設計施工指針(案)」刊行
1995年:JIS A 6206(コンクリート用高炉スラグ微粉末)制定
1996年:「高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの施工指針」制定
【潜在水硬性の化学的メカニズム】

 スラグのSiO₂やAl₂O₃の鎖状結合がpH12以上で切断され、固溶されていたCaO,Al₂O₃,MgOなどが溶出し、カルシウムシリケート水和物およびカルシウムアルミネート水和物を生成して硬化する。


○高炉セメントキーワード
・セメント品種生産割合は約21%
・長期強度は無混入コンクリートより増大する
・乾燥収縮が低減する
・化学的抵抗性が高い
・中性化速度は一般のコンクリートよりやや大きくなる
・養生期間は一般のコンクリートより長くなる
・コンクリート練り混ぜ時の計量許容誤差は「±1%」
・吹付コンクリートにおいて分離抵抗性・圧送性の向上に効果がある
・吹付コンクリートの粉じん濃度やはね返り率の低減に効果がある
・高炉スラグ微粉末は産業副産物なので、セメントの一部と置換することにより環境負荷低減になる

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