○マスコンクリートとは
部材あるいは構造物の寸法が大きく、セメントの水和熱による温度の上昇を考慮して施工しなければならないコンクリートのことである。
コンクリート標準示方書ではマスコンクリートとして取り扱うべき構造物の部材寸法の目安として
広がりのあるスラブ:厚さ80〜100㎝以上
下端が拘束された壁:厚さ50㎝以上
としている。
また富配合のコンクリートが用いられる場合には、拘束条件によってはマスコンクリートに準じた扱いが必要となるとしている。
マスコンクリートは温度ひび割れが発生しやすいため、必要に応じてひび割れ指数を用いて温度ひび割れの検討を行う。
○ひび割れ指数とは
ひび割れ指数とは、温度ひび割れの発生確率および発生するひび割れ幅を計算によって推定する指数である。
ここで
ひび割れ指数:I
ある材齢におけるコンクリートの引張強度:f
ある材齢で発生するコンクリートの内部応力:σ
とすると
I=f/σ (ひび割れ指数=引張強度/内部応力)
と表され
ひび割れ指数が「1.0」の場合ひび割れ発生確率は50%とされており、数字が増えるほどひび割れ発生確率が低下する。ひび割れを防止したい場合は「1.85」、ひび割れをできるだけ制限したい場合は「1.4」を目標とする。
○内部拘束によって発生する温度ひび割れ
コンクリート表面と内部の温度差から生じる応力によって発生する表面ひび割れであり、コンクリート打設後早い段階で発生するひび割れである。
○外部拘束によって発生する温度ひび割れ
打設後にコンクリート全体の温度が降下する過程でコンクリートが収縮しようとする際に、既設コンクリートや岩盤などによって外部から拘束されて生じる応力によって発生するひび割れである。材齢がある程度進んだ段階で発生するひび割れであり、貫通クラックとなりやすい。
※【参考】ひび割れの原因【材料】