サイトアイコン 機械卒でも土木の現場監督

プレストレスコンクリート【Prestressed Concrete】

○プレストレスとは
【プレストレス】とは
【プレ】:あらかじめ
【ストレス】:圧縮力
をコンクリートに与えることである。
 コンクリートは圧縮に強く引張に弱いという特徴がある。コンクリートに過剰な引張力が作用するとすぐにひび割れが生じ、ひび割れから劣化因子が侵入し鉄筋の腐食が発生する。コンクリートにプレストレスを与えるとコンクリートに作用する引張力を減少させることができるため、ひび割れを抑制することができる。

○PC構造の特徴
【長所】
・ひび割れが生じにくい
・部材断面を小さくできる
・プレハブ化が容易
・一時的な過大荷重で変形が生じても、除荷後に復元する
【短所】
・設計・施工に高度な技術が必要

・部材が大きな損傷を受けた場合の修復が困難

○PC鋼材の特徴

 PC鋼材は引張強度が鉄筋の2〜4倍である。

○使用するコンクリートの特徴
 プレストレス導入のための強度を確保するため、高強度で早強性があることが求められている。プレストレスコンクリートの設計基準強度は35〜50N/mm²である。プレストレス導入時に必要なコンクリート圧縮強度は、緊張により生じるコンクリート最大圧縮応力度の1.7倍以上とされている。

 プレストレス導入作用を継続するために、コンクリートは乾燥収縮およりクリープが小さい必要がある。

○プレテンション方式

 プレテンション方式とは、PC鋼材を緊張した状態でPC鋼材を巻き込んでコンクリートを打ち込み、コンクリートの強度が発現した後に緊張を緩めてプレストレスを導入する方法である。

○ポストテンション方式

 ポストテンション方式とは、コンクリート中にシースと呼ばれる管を設置しておき、コンクリートを打設して硬化した後にPC鋼材をシース管内に挿入・緊張してプレストレスを与える。シースとPC鋼材の隙間はセメントミルク等を注入し、PC鋼材とコンクリートを付着させる。

○外ケーブル工法
 外ケーブル工法とは、PC鋼材をコンクリート外部に設置してプレストレスを与える工法である。PC鋼材の点検・交換が容易に行えるという利点があるが、鋼材の定着部に応力が集中するため十分な補強を検討する必要がある。
モバイルバージョンを終了