コンクリート主任技士に必要な配合設計について記載する。
○配合設計の考え方
要求される性能を満足する範囲内で、『単位水量をできるだけ少なくする』ように定めなければならない。
○配合設計の手順
1.粗骨材の最大寸法の決定
粗骨材の最大寸法が大きいほど同一スランプを得るのに必要な単位水量は少なくなる。また、同一強度を得るための単位セメント量を減らせるだけでなく、乾燥収縮やクリープの減少にも有効である。したがって、粗骨材の最大寸法は構造物の種類や部材寸法、鉄筋のあきやかぶりを考慮してできるだけ大きくする。
・鉄筋コンクリートの場合
粗骨材の最大寸法は20または25を基準とし、断面が大きい場合は40とする。
ただし
部材最小寸法の1/5
(梁、スラブ)水平方向の鉄筋の最小あきの3/4
(柱および壁)軸方向の鉄筋の最小あきの3/4
かぶりの3/4
を超えてはならない。
2.スランプ、空気量の設定
スランプは打ち込む部材の構造、打ち込み方法、締め固め方法に応じて型枠内に充填するために必要な「打ち込み最小スランプ」を選定する。
スランプが大きいコンクリートは
・材料分離が生じやすい
・乾燥収縮が大きい
等の問題がある。
スランプを決定する際は場外運搬・場内運搬でのロスと、ばらつきを考慮する。
空気量はコンクリートの品質に応じて4〜7%とする。
3.配合強度の決定
配合強度は現場におけるコンクリートの品質のばらつきを考慮して定める。一般の場合、コンクリートの圧縮強度の試験値が基準強度を下回る確率が5%以下となるように定める。
4.水セメント比の決定
水セメント比は一般に65%以下とし、水密性が求められるコンクリートでは55%以下とする。コンクリートの要求性能を考慮して最小の値を採用するが、必要以上に水セメント比を小さくするとセメント量が多くなり経済的ではないばかりか温度ひび割れが懸念される。
5.単位水量、混和剤量の決定
単位水量は所要のスランプを得ることができる範囲でできるだけ小さくなるように定める。単位水量の上限値として
粗骨材の最大寸法20〜25mm:175kg/m³
粗骨材の最大寸法40mm:165kg/m³
が推奨されている。
6.細・粗骨材量の決定
所要のワーカビリティーが得られる範囲内で単に水量が最小となる細骨材率に設定する。骨材の粒径や粒度等によって異なるため、試験によって定める。