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ワーカビリティー【影響因子】

○ワーカビリティーとは
 ワーカビリティーとは、コンクリートの変形及び流動に対する抵抗性(コンシステンシー)と材料分離に対する抵抗性とを合わせた、運搬、打込み、締固め、仕上げなどの作業が容易にできる性質である。フレッシュコンクリートの性質を表す用語のうち、最も包括的な性質である。

 ワーカビリティーはコンクリートの運搬、打込み、締固め、仕上げまでの一連の作業に関するコンクリートの施行特性を表すものである。判定の基準は構造物の種類や施工箇所、施工方法によって異なる。そのため、ワーカビリティーは「良い」「悪い」「作業に適する」など定性的かつ相対的な評価となる。

 

○単位水量による影響
 単位水量を多くすると流動性が増大するが材料分離はしやすくなる。流動性と材料分離抵抗性に対し相反する影響を及ぼすため、両者をバランスさせるよう配合を選定する必要がある。

 

○骨材による影響
 単位水量一定のもとで、粗骨材の最大寸法を大きくする、細骨材率を低くするあるいは細骨材の粗粒率を大きくする場合にも流動性が増大するが材料分離はしやすくなる。

 

○混和剤による影響
 AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、フライアッシュなどの混和材の適切な使用、および粒径・粒度の良い骨材を用いると、同じ流動性のコンクリートを得るのに必要な単位水量が減るため材料分離に対する抵抗性を増すことができる。

 

○セメント量による影響
 適切なセメント量とすることによりコンクリートのプラスティシティーを良好にすることができる。ただし、過度に単位セメント量を増大させると、粘性が高くなり過ぎ流動性や締固め性を低下させる。

 

○セメントの粉末度による影響
 粉末度の大きいセメントを使用した場合、セメントペーストの粘性が高くなり流動性は低下する。粉末度が小さいセメントを使用した場合はセメントペーストの粘性が低くなり材料分離が生じやすい。

 

○練り混ぜによる影響
 コンクリートの練り混ぜが不十分だとセメントなどの材料が均一に分散されず所定の流動性を得ることができない。過度に練り混ぜ時間が長いと骨材が砕かれて微粉の量が増加したり空気量が減少したりするため、流動性が低下する。
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