酸化性固体とは(第1類危険物)
酸化性固体とは、他の物質を酸化させる作用がある物質である。分子構造中に酸素を含み、加熱・衝撃・摩擦等で分解して酸素を放出し、他の物質を燃えやすくする性質がある。
酸化性固体の特徴
酸化性固体は酸素を放出して他の物質を燃えやすくする。そのため、可燃物と混合すると非常に激しい燃焼・爆発を起こす危険性がある。酸化性固体は他の物質を燃えやすくする性質なので、自分自身は燃えない不燃性である。
一般に無色の結晶または白色の粉末である。アルカリ金属の過酸化物は水と反応して酸素と熱を放出する。
代表的な物質
- 塩素酸カリウム
- 塩素酸ナトリウム
- 過酸化ナトリウム
- 過マンガン酸カリウム
塩素酸カリウムとは
塩素酸カリウムとは、塩化カリウム濃水溶液の電気分解などによって得る無色板状結晶である。強い酸化剤で有機物・赤リン・硫黄などと加熱すると爆発する。マッチ・花火・爆薬の原料であり、漂白剤の製造などに用いる。
塩素酸ナトリウムとは
塩素酸ナトリウムとは、食塩水の電気分解などによって得られる無色の結晶である。水に溶けやすい性質である。強い酸化剤で、マッチ・花火の原料、殺虫剤・除草剤などに用いる。
過酸化ナトリウムとは
過酸化ナトリウムとは、金属ナトリウムを二酸化炭素を含まない乾燥空気中で加熱して得る淡黄色の粉末。常温で水と激しく反応して、水酸化ナトリウムと酸素を発生させる、酸化剤・漂白剤に用いる。
過マンガン酸カリウムとは
過マンガン酸カリウムとは、赤紫色の柱状結晶であり、緑色の光沢をもつ。強い酸化剤であり、分析化学で広く用いられる。その他医薬品・火薬原料・漂白剤などに利用される。
酸化性固体の火災対策
酸化性固体を使用する際は、火気・加熱を避け衝撃や摩擦を与えないように留意する。また、酸化されやすい物質との接触を避ける。
消火の際は、一般には大量の水で消火する。燃焼熱による酸化性固体の分解を、放水して冷却することで抑制し、酸素の供給を減らすことで可燃物の燃焼を抑制する。
アルカリ金属の過酸化物の消火については、炭素水素塩類を主成分とする粉末消火剤または乾燥砂を用いる。