1級土木施工管理技士の実地試験に必要と思われるコンクリートの施工に関する内容を以下にまとめる。
「運搬」「打ち込み」「打ち込み順序」「打ち込み後」「打ち継ぎ」の5項目に分けて記載している。
1.コンクリートの運搬
コンクリートの練り混ぜから打ち込みまでの時間は外気温25度以下で2時間以内、外気温25度以上で1.5時間以内とする。
プラントからのコンクリートの運搬は一般的にトラックアジテーター(通称生コン車)を使用する。舗装コンクリートやダムコンクリートなどの硬練りのコンクリートの運搬はダンプトラックを使用することができる。
2.コンクリート打ち込み
打ち込み開始前に鉄筋・型枠を清掃し、型枠内に溜まった水は必ず取り除く。
打ち込んだコンクリートの水分が型枠内に吸われると良い仕上がり面が得られないことが多い為、吸水する恐れがある部分はあらかじめ湿らせておく。
生コンクリートの打ち込みは目的から近い位置に降ろし、型枠内で横移動させない。
打ち込みながらバイブレーターを用いて締め固める。バイブレーターは50センチ以下の間隔で挿入し、1箇所あたり5〜15秒振動させる。バイブレーターを引き抜く際は後に穴が残らないよう真っ直ぐ徐々に引き抜く。
打ち込み時の吐き出し口から打ち込み面までの高さは1.5m以下とし、1層当たりの打ち上がり高さは40〜50センチとする。
3.コンクリートの打ち込み順序
2層以上打重ねる場合は、下の層を打ち終わってから2.5時間以内(外気温が25度以上の場合は2.0時間以内)に上の層を打ち込む。また、その時バイブレーターを下の層に10センチ程度挿入し、コールドジョイントを防ぐ。
既に打ち込まれたコンクリート表面にブリーディング水がある場合は取り除いてから打設する。
壁または柱のコンクリートの沈下がほぼ終了してからスラブまたは梁のコンクリートを打ち込む。
暑中コンクリートや打ち重ね時間が長くなる場合は遅延型の混和材などにより、凝結時間を長くする。
4.コンクリート打ち込み後の留意点
コンクリート打ち込み後は仕上げを行う。コンクリート上面の水を取り除いた後にこてで仕上げる。コンクリートが固まり始める前に発生したひび割れはダンピングもしくは再仕上げによって取り除く。
仕上げ後は養生を行う。養生はコンクリート表面を荒らさない程度に硬化した段階で、養生用マットや湿った布などでコンクリート表面を覆う。もしくは散水等を行う。
5.コンクリートの打ち継ぎ
打ち継ぎとは硬化したコンクリートに接して新たなコンクリートを打ち込むことである。打ち継ぎめはせん断力が小さい位置に設置し、打ち継ぎ面が圧縮力が作用する方向と直角にする。旧コンクリートの表面のレイタンス等を取り除き、十分に吸水させる。