1級土木実地試験の過去問を考察する。実地試験は正答が公開されていないため、参考書によって解答が異なる。
設問1
盛土工に関する次の文章の( )に当てはまる適切な語句を解答欄に記入しなさい。
(1)盛土の実施にあたっては、構造物の使用目的との適合性、構造物の安全性、繰り返し荷重による沈下や法面の浸食に対する( イ )、施工品質の確保、維持管理の容易さ、環境との調和、経済性などを考慮しなければならない。
( イ )の解答
参考書A:安定性or耐久性
参考書B:耐久性
【考察】
参考書A・Bで言葉が若干異なるが、意味は同じである。
(2)盛土材料には、切土工事等からの建設発生土、あるいは土取場から採取・運搬された土が利用される。これらの材料は( ロ )、組成等が設計段階では不明なものが多く、実際に切土後に盛土材料としての試験・判断が必要となる。
( ロ )の解答
参考書A:土質性状or強度・粒度
参考書B:粒度分布
【考察】
この問題も参考書A・Bで言葉が若干異なるが、意味合いとしては「性質が不明である」ということなのでどれでも正解と考えられる。
粒度分布が良いとは土の粒子が大小程よく混じり合っている状態を言う。
粒度分布が良い土は空隙が少ないため強度が大きく水を通過させにくい。
(3)盛土施工中の豪雨により( ハ )を防止し盛土の品質を確保するためには、施工中の表面水や地下水などの適切な処理が重要である。
( ハ )の解答
参考書A:土砂崩壊or軟弱化
参考書B:崩壊
【考察】
どの言葉でも意味はほぼ同じで正解である。
盛土中を水が通過すると流水により水の通り道ができてしまい、盛土の崩壊につながる。この現象をパイピング現象と言う。
(4)施工段階で地山からの( ニ )は調査時点で明確にならないことが多く、盛土工事に着手し地山を整形する時点で( ニ )が多いことが判明した場合は、十分な地下排水対策をとらなければならない。
( ニ )の解答
参考書A:湧水or浸透水
参考書B:湧水量
【考察】
どの言葉でも意味はほぼ同じで正解である。
地山からの水についても盛土に当然悪影響を与えるので、適切な対処が必要である。
(5)情報化施工による盛土の構築時に高含水比の粘性土など品質がよくない盛土材料を用いる場合には、観測施工により施工中の現場( ホ )によって得られる情報を分析しながら次段階の設計や施工に利用することにより施工中の安全性や品質の確保に努める。
( ホ )の解答
参考書A:計測結果or締固め試験
参考書B:計画
【考察】
参考書Bの「計画」は適切ではない。
観測施工により現場で実際に行った結果を用いて今後のの施工につなげていかなければならないので、参考書Aの解答が正解である。