読書時間:2時間ほど
満足度 :80/100
コンクリートの劣化について一般の方向けに書かれた新書である。内容は「コンクリートは水と砂と砂利からできている」といった初歩的な内容から、「塩化物は不動態皮膜を通過し界面にある鉄イオンと反応して…(塩害の説明より)」といったかなり専門的な内容まで記載している。また、「コンクリートから人へ」がもたらした弊害という項目では著者の技術者としての考えが記されており読み物としての面もある一冊である。
○本書の構成(目次)
1.現代社会を支える鉄とコンクリート
2.コンクリートとは何なのか
3.コンクリート構造物は本当に安全なのか
4.コンクリートの寿命
5.コンクリート構造物の人選設計
6.「コンクリートから人へ」がもたらした弊害
7.コンクリートの崩壊を防ぐには
8.コンクリートドクターが危機を救う
○本書で学んだこと
・「荒廃するアメリカ」
・なぜ融雪剤を撒くと凍らないかというと、融雪剤の塩分によって水の凝固点が0℃以下になるから
・タダで残業しているのをサービス残業といっているのもサービス=タダという価値観が根付いているからだと思う
・コンクリート構造物の減価償却資産としての耐用年数
・戦前と戦後のコンクリートの違い(コンクリートポンプの登場による変化)