フィラー線とは
フィラー線とは、ワイヤーロープの素線の中に混ざっている三角形の細い線のことである。フィラー線はワイヤーロープの強度には寄与しないが、素線の配列をよくすることで、ワイヤーロープの形を整える役目をしている。
ワイヤーロープは１よりの間で素線の数の１０%以上の素線が切断しているものは廃棄しなければならないが、フィラー線は素線の数に含まない。
ちなみに、フィラー線の「フィラー」は英語で「filler」であり、「詰め物、満たす物」という意味である。
ワイヤーロープの構造
ワイヤーロープは「心綱（しんつな）」と呼ばれるワイヤーロープの中心となるロープの周りに、「ストランド」と呼ばれるロープを巻きつけた構造となっている。
「ストランド」は、「素線」を束ねて構成されており、その「素線」の配列をよくするために素線の中に混ざっているのが「フィラー線」である。
これらの関係性を記号で表すと以下のとおりである。
ワイヤーロープは心綱（しんつな）の周りにストランドを巻きつけた構造
ワイヤーロープ＝心綱＋ストランド
ストランドは素線を束ねて構成されており、素線の中にフィラー線が混ざっている
ストランド＝素線＋フィラー線
ワイヤーロープとストランドと素線の関係
ワイヤーロープ ＞ ストランド ＞ 素線