本質的安全設計方策とは
本質的安全設計方策とは、「機械の包括的な安全基準に関する指針」によると、以下の内容である。
本質的安全設計方策
ガード又は保護装置を使用しないで、機械の設計又は運転特性を変更することによる保護方策。
具体的な本質的安全方策については、「機械の包括的な安全基準に関する指針」の「別表第2 本質的安全設計方策」に記載されている。
本質的安全設計方策の概要
「別表第2 本質的安全設計方策」に記載されている本質的安全設計方策の概要は以下の内容である。
- 労働者が触れるおそれのある箇所に鋭利な端部、角、突起物等がないようにする
- 労働者の身体の一部がはさまれることを防止するため、機械の形状、寸法等及び機械の駆動力等を制限すること。
- 機械の使用中に危険性又は有害性に接近する必要をなくすこと。又は頻度を低減すること。
- 機械の損壊等を防止するために、機械の強度や材料等について検討すること。
- 機械の転倒等を防止するために、機械自体の運動エネルギー、外部からの力等を考慮し安定性を確認すること。
- 感電を防止するため、機械の電気設備には、直接及び関節接触に対する感電保護手段を採用すること。
- 騒音、振動、過度の熱の発生がない方法又はこれらを発生源で低減する方法を採用すること。
- 電離放射線、レーザー光線等の放射出力を機械が機能を果たす最低レベルに制限すること。
- 火災又は爆発の恐れのある物質は使用せず又は少量の使用にとどめること。
- 有害性のない又は少ない物質を使用すること。
- 労働者の身体的負担の軽減、誤操作等の発生の抑止等を図るため、人間工学に基づく配慮を行うこと。
- 制御システムの不適切な設計等による危害を防止すること。
- 安全上重要な機構や制御システムの故障等による危害を防止するため、当該機構や制御システムの部品及び構成品には信頼性の高いものを使用すること。
- 誤操作による危害を防止するため、操作装置は適切な方式の採用・表示を行うこと。
- 保守点検作業時の安全を考慮すること。
「別表第2 本質的安全設計方策」には、以上のような15の項目が記載されている。
「別表第2 本質的安全設計方策」は「機械の包括的な安全基準に関する指針」内の「第2 機械の製造等を行う者の実施事項」の中の、「6保護方策の検討及び実施」内に記載されている。
6 保護方策の検討及び実施
(1)機械の製造を行う者は…法令に定められた事項がある場合はそれを必ず実施するとともに、適切なリスクの低減が達成されていないと判断した危険性又は有害性について、次に掲げる優先順位により、機械に係る保護方策を検討し実施するものとする。
ア 別表第2に定める方法その他適切な方法により本質的安全設計方策を行うこと
機械の包括的な安全基準に関する指針 第2機械の製造等を行う者の実施事項