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土圧式シールド機の構造【攪拌翼、スクリューコンベヤー】

○カッターヘッド
 カッターヘッドはシールド前面にあるカッタービット等の切削機構を備えた部分である。カッターヘッドの構造は地山条件等を考慮して決定する。土圧式シールドではスポーク形が採用されることが多い。面板形を採用する場合は最大礫径や地山の粘着力を考慮して掘削土砂の取り込みを妨げないようスリット幅と開口率を選定する必要がある。
 
○カッタートルク

カッタートルクはカッターヘッドが回転する際の抵抗トルクの総和であり、泥土圧式シールドのカッタートルクは泥水式シールドと比較すると必要トルクが大きくなる。これは地山との摩擦抵抗や土の攪拌トルクが大きくなるためである。また、切羽が自立しない場合はさらにトルクが必要となる。土圧式シールドではトルク係数αを10〜25程度とする。

○添加材注入口
 泥土圧シールドの場合は掘削土砂の塑性流動化を図るために添加材を切刃に注入するため、カッターヘッドに添加材注入口を設ける。
○土圧計
 チャンバー内の泥土圧を計測するために土圧計を設置する。必要に応じて複数設置する。また、故障に備えて交換できる機構とすることもある。
○攪拌翼(攪拌棒)
 掘削土砂と添加材の混練りを促進し、掘削土砂の付着、堆積を防止するために攪拌翼を設ける。カッタヘッド背面に設置しカッタヘッドの回転と共に回る攪拌翼を回転翼、隔壁に設置し動かない攪拌翼を固定翼と呼ぶ。
○スクリューコンベヤー
 スクリューコンベヤーは土圧式シールドに用いる排土装置である。スクリューコンベヤーは切羽の土水圧とチャンバー内の泥土圧のバランスを図るため、シールド掘進量に合わせて回転速度を制御して排土量の調整を行う。最大礫径、掘削土量、地山粘着力を考慮して排土機構、羽根形状、羽根径、長さ、トルクおよび回転数を決定する。
 スクリューコンベヤーの形式は大別して、軸付スクリューコンベヤーと軸なしリボン式スクリューコンベヤーがある。
○軸付きスクリューコンベヤー
 軸付きスクリューコンベヤーは、スクリューコンベヤーの中心に軸がありその周りに羽根が付いている構造である。止水性を確保したい場合は軸付きスクリューコンベヤーを採用する。
 参考図を以下に示す(トンネル標準示方書より)
○リボン式スクリューコンベヤー
 リボン式スクリューコンベヤーは軸付スクリューコンベヤーの軸がなくなったような構造である。新体操のリボンのようなイメージである。リボン式スクリューコンベヤーはスクリュー部の搬送空隙が大きいため、礫径が大きい場合に採用する。デメリットは止水性が確保しにくい点と、リボンのみなので強度の問題がある。
 参考図を以下に示す(トンネ標準示方書より)
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