読書媒体:kindle
読書時間:4時間ほど
満足度 :95/100
勉強法について実験データを元に科学的に論じた本である。よくある「私の勉強法」的な内容ではなく、客観的な実験データを元にしているところがとても良い。これから様々な試験勉強を行わなければならないので、この本の内容を参考に勉強を進めようと思った。
本書に書いてある勉強法の要点は「勉強方法に変化をつける」「一度にまとめてやるのではなく、分散させる」「テストが大切」である。
○本書で学んだこと
・勉強する時間帯を同じにせず、場所も変えた方が学習効果が高まる。逆に言えば、時間や場所を固定すると学習効率が下がる。
・1つのことだけを繰り返し練習するよりも、関連性のある複数のことを混ぜて練習するほうが脳は効率よくパターンを見いだす。
・記憶を使えば記憶は変わる。それは良いほうに変わる。忘れることで覚えたことがより深く脳に定着する。
・手順や環境に変化をつければ「学ぶ力」は強化できる。
・手でメモを取るのと、キーボードを使ってタイプするのは別の活動。座って勉強する、ルームランナーで走りながら勉強するのもそれぞれ違う。
・一気に集中して勉強するのと、勉強時間を「分散」するのとでは、覚える量は同じでも、脳にとどまる時間がずっと長くなる。
・外国語の語彙や科学の定義など、事実に関する情報を習得して記憶にとどめたいなら、最初に勉強した1・2日後に復習し、その次は1週間後、その次は1ヶ月後に復習するのが最適だ。1ヶ月を過ぎると復習する感覚はさらに長くなる。
・受動的に繰り返されたことよりも、能動的に繰り返したことのほうが強く脳に刻まれる。たとえば、何かを暗記しようとしてほぼ覚えたと思ったとき、もう一度本を開くより、時間をおいてから記憶をたどって思い出すほうがよい。
・暗唱を例にあげると、最初の3分の1の時間を覚えることに使い、残りの3分の2を暗唱の練習に使うのが最も効率がよい。
・学んだことを自分自身や自分以外の誰かに説明するという行為は、単純なことのように思えるかもしれないが、慣習的な意味での自己テストの一形態にとどまるものではない。これは非常に効果の高い学習だ。
・「脳内イメージ」がもたらすバイアスが解決策にたどり着くことを妨害する。
・中断する事に罪悪感を覚える。だが、そこに罪悪感を覚えるのは間違いだと科学は言う。それだけではない。行き詰まったときにそうした休憩をとることは、問題を解く助けになることが多いとも言っている。
・割り当てられた作業に着手すると、たとえ意味のない作業でも、それを心理的に目標に感じるようになる。
・作業に没頭しているときに邪魔が入ると、その作業が記憶にとどまる期間が長くなる。
・大きな仕事を抱えたときは、できるだけ早く着手し、行き詰まったら立ち止まる。投げ出すのではなく抽出を始めるのだと、自信を持って中断すればいい。
・1つのことを繰り返し練習させないようにすれば人は絶えず調整せざるをえなくなる。それにより、変化全般に対応する器用さが身につき、ひいては個々の技術に磨きがかかる。
・PLMとは知覚学習モジュールであり、たくさんの情報から必要な情報を選ぶ能力を鍛えることである。PLMを利用して学習をするためには、練習問題を次々の素早く解けばいい。何も考えなくても知覚は学んでいる。