重要な機構や制御システムの故障等による危害を防止するための本質的安全設計方策【非対称、冗長化など】

重要な機構や制御システムの故障等による危害を防止するための本質的安全設計方策

「機械の包括的な安全基準に関する指針」では、機械の安全化を図るために機械の設計者等が考慮する事項を記載している。

機械の設計者等は機械の安全化を図るために、「本質的安全設計方策」を検討する必要がある。

「機械の本質的安全基準に関する指針」の「別表第2 本質的安全設計方策」内に、以下のように記載がある。

安全上重要な機構や制御システムの故障等による危害を防止するため、当該機構や制御システムの部品及び構成品には信頼性の高いものを使用するとともに、当該機構や制御システムの設計において、非対称故障モードの構成品の使用、構成品の冗長化、自動監視の使用等の方策を考慮すること。

機械の包括的な安全基準に関する指針 別表第2本質的安全設計方策

これらの項目は、重要な機構や制御システムの故障等による危害を防止するための事項である。

非対称故障モードの構成品とは

非対称故障モードの構成品について、「『機械の包括的な安全基準に関する指針』の解説等について」に記載されている。

「非対称故障モードの構成品」とは、複数の故障モードがある部品や回路において、特定の故障モードの発生確率が他よりも極端に高くなうような特性で、部品や回路にこの特性を持たせることにより、安全側に故障する確率を高くするようにした構成品である。

「機械の包括的な安全基準に関する指針」の解説等について

構成品の冗長化とは

構成品の冗長化について、「『機械の包括的な安全基準に関する指針』の解説等について」に記載されている。

「冗長化」とは、複数の回路を並列的に設けることにより、一部に故障が生じても機能を維持する構造としたものであること。ただし、自動監視又は点検間隔の短い定期的な点検により故障可能な限り検出できるようにする必要があること。また、冗長化には、設計、技術、原理等の異なる複数の系を設けて、同一原因による故障を避けるようにする異種冗長化構成があること。

「機械の包括的な安全基準に関する指針」の解説等について

自動監視とは

自動監視について、「『機械の包括的な安全基準に関する指針』の解説等について」に記載されている。

「自動監視」とは、装置に自己診断機能を持たせ、故障や異常を定期的にかつ自動的に確認し、故障等があれば機能を停止させる等の安全機能が作動するようにするものであること。

「機械の包括的な安全基準に関する指針」の解説等について

適切な部品及び構成品を選択する際の指標

適切な部品及び構成品を選択する際の指標について、「『機械の包括的な安全基準に関する指針』の解説等について」に記載されている。

適切な部品及び構成品を選択する際の指標としてJIS B9705-1(機械類の安全性-制御システムの安全関連部)に「安全制御のカテゴリー」が、制御システムの安全機能のリスク低減性能を解析する際の指標としてJIS C0508(電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全)に「安全水準」が示されていること。

「機械の包括的な安全基準に関する指針」の解説等について