レーザー機器のクラスの概要【JISが定義】

レーザー機器のクラスの定義

  「昭和61.1.27 基発第39号」および「平成17.3.25 基発0325002号」で「レーザー光線による障害の防止対策について」という文章が発行されている。

※基発とは、労働基準局長名で発する通達

 この文章内に「レーザー光線による障害防止対策要綱」が定められている。「2.用語」の中に「(5)レーザー機器のクラス」が記載されている。

「(5)レーザー機器のクラス」によると、「レーザー機器のクラス分けは、日本工業企画C6802『レーザ製品の安全基準』の『8.クラス分け』によるものとする。」とされている。

JIS C6802 レーザ製品の安全基準

8 クラス分け

「8 クラス分け」の項目には「クラス分けに対する責任」や「クラス分けの規則」について記載されている。

「クラス分けに対する責任」については、レーザ製品の正しいクラス分けを行うことは製造業者の責任である旨が明記されている。

「クラス分けの規則」については、レーザ製品の専門的な評価方法が記載されている。また、附属書Cにクラスに付随する危険性について記載する旨が明記されている。

附属書C クラス及び付随する潜在的危険性に関する解説

 附属書Cの「C.2 クラスに関する解説」の項に各クラスに関する解説が記載されている。抜粋した内容を以下に記載する。

クラス1

直接ビーム内観察を長時間行っても安全である製品。観察用光学器具を用いて観察を行っても安全。クラス1には、用いるときに危険性のある放射を被ばくすることのないように完全に囲われた高出力レーザ(組込形レーザ製品)も含まれる。

クラス1M

裸眼で直接ビーム内観察を長時間行っても安全であるレーザ製品。光学器具を用いて観察すると、条件によって目の障害が生じる可能性がある。

クラス2

瞬間的な被ばくのときは安全であるが、意図的にビーム内を凝視すると危険なレーザ製品。

クラス2M

裸眼に対して短時間の被ばくは安全なレーザ製品。光学器具を用いて観察すると、条件によって目の障害が生じる可能性がある。

クラス3R

障害が生じるリスクが比較的小さいレーザ製品。目に障害が生じるリスクは露光時間とともに増大する。また、意図的に目に露光することは危険。

クラス3B

目へのビーム内露光が生じると、偶然による短時間の露光でも危険なレーザ製品。拡散反射光の観察は通常安全。軽度の皮膚障害又は可燃物の点火を引き起こす可能性がある。

クラス4

ビーム内の観察及び皮膚への露光が危険であり、拡散反射の観察も危険となる可能性があるレーザ製品。しばしば火災の危険性が伴う。

用語体系(「M」「R」の意味)

クラス1M・クラス2Mの「M」の意味

「M」の由来は、拡大用観察器具(magnifying optical viewing instruments)である。

クラス3Rの「R」の意味

「R」の由来は、要求事項の削減(reduce)又は緩和(relax)である。