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SDSの「11.有害性情報」の読み方【安全上最も重要な項目】

有害性情報の概要

この項目には、様々な健康(毒性学的)影響について、危険有害性項目ごとに簡明かつ完全で包括的な説明と、その影響を特定するために利用したデータとを記載する。GHS分類においてデータを提供しなければならない有害性は次による。

体細胞を用いるインビボ(in vivo)遺伝毒性試験又はインビトロ(in vitro)変異原性試験のデータを記載する場合には、生殖細胞変異原性の小項目に記載する。さらに、発がん性の小項目に記載してもよい。

生じる影響には、各々、吸入、経口摂取、皮膚、眼接触などのばく露経路を記載する。さらに、毒性の数値的尺度(急性毒性推定値など)、物理的、化学的及び毒性学的特性に関係する症状を、そのばく露条件(用量又は濃度、期間)と共に提供することが望ましい。必要に応じて、単回又は反復ばく露によって生じる急性影響と遅延性影響とを記載する。

これらの危険有害性のデータが入手できない場合又は化学品が分類判定基準に合致しない場合には、その旨SDSに記載する。混合物の場合、上記各有害性クラスについて、混合物としての毒性情報とGHS分類とを記載する。混合物全体として記載されていない場合、又は評価するに足る情報が得られない場合は成分について毒性情報とGHS分類とを記載する。混合物としての分類には、GHSが規定する混合物の分類方法を使用する。情報が得られない等の場合はその旨を記載する。

有害性情報の解説

急性毒性とは

化学品の経口もしくは経皮からの単回ばく露、24時間以内の複数回ばく露、又は3時間の吸入ばく露によって動物を死に至らしめる等によってヒトに対しても致死性の影響があると考えられる、又は知られている性質である。

詳細記事⇒急性毒性とは【致死性の危険性】

皮膚腐食性とは

皮膚腐食性とは化学品の4時間以内の皮膚接触で、皮膚に対して不可逆的な損傷を発生させる性質である。不可逆的な損傷は、皮膚組織の破壊(表皮から真皮に至る視認可能な壊死)である。

詳細記事⇒皮膚腐食性・刺激性とは【危険性は腐食性>刺激性】

皮膚刺激性とは

化学品の4時間以内の皮膚接触で、皮膚に可逆的な損傷を発生させる性質である。

詳細記事⇒皮膚腐食性・刺激性とは【危険性は腐食性>刺激性】

眼に対する重篤な損傷性とは

眼の表面に対する化学品のばく露に伴う眼の組織損傷の発生又は重篤な視力低下で、ばく露から21日以内に完全には治癒しないものを発生させる性質である。

詳細記事⇒眼に対する重篤な損傷性・眼刺激性【損傷性=不可逆的、刺激性=可逆的】

眼刺激性とは

眼の表面に化学品を暴露した後に生じた眼の変化で、ばく露から21日以内に完全に治癒するものを生じさせる性質である。

詳細記事⇒眼に対する重篤な損傷性・眼刺激性【損傷性=不可逆的、刺激性=可逆的】

呼吸器感作性とは

化学品の吸入によって気道過敏症を引き起こす性質である。

詳細記事⇒呼吸器感作性・皮膚感作性とは【感作性=アレルギー】

皮膚感作性とは

化学品の皮膚接触によってアレルギー反応を引き起こす性質である。

詳細記事⇒呼吸器感作性・皮膚感作性とは【感作性=アレルギー】

生殖細胞変異原性とは

次世代に受け継がれる可能性のある突然変異を誘発する性質である。

詳細記事⇒生殖細胞変異原生とは【次世代に受け継がれる可能性のある突然変異】

発がん性とは

がんを誘発させる性質、又はその発生率を増大させる性質である。

詳細記事⇒発がん性とは【がんを誘発させる性質】

生殖毒性とは

雌雄の成体の生殖機能及び受精能力に対し悪影響を及ぼす性質及び子の発生に対し悪影響を及ぼす性質である。

詳細記事⇒生殖毒性とは【生殖機能への毒性】

特定標的臓器毒性(単回ばく露)とは

単回ばく露によって起こる特定臓器に対する特異的な非致死性の毒性である。なお、単回ばく露は、可逆的若しくは不可逆的、又は急性若しくは遅発性の機能を損なう可能性がある、全ての重大な健康への影響を含む。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)とは

反復ばく露によって起こる特定臓器に対する特異的な非致死性の毒性である。なお、反復ばく露は、可逆的若しくは不可逆的、又は急性若しくは遅発性の機能を損なう可能性がある、全ての重大な健康への影響を含む。

誤えん有害性とは

誤えんの後、化学肺炎若しくは種々の程度の肺損傷を引き起こす性質、又は死亡のような重篤な急性の作用を引き起こす性質である。

また、「誤えん」とは、液体又は固体の化学品が、口若しくは鼻くうから直接、又は嘔吐によって間接的に気管及び下気道へ侵入することである。

詳細記事⇒誤えん有害性とは【口や鼻から入ったら危険】

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