一般事項
生殖細胞変異原生とは、次世代に受け継がれる可能性のある突然変異を誘発する性質である。
生殖細胞変異原性の区分
区分1
ヒト生殖細胞に経世代突然変異を誘発することが知られている化学物質,又は経世代突然変異を誘発するとみなされる化学物質 。
区分1A
ヒト生殖細胞に経世代突然変異を誘発することが知られている化学物質。区分1Aへの化学物質の分類は,ヒトの疫学的調査による陽性の証拠による。
区分1B
ヒト生殖細胞に経世代突然変異を誘発するとみなされる化学物質。区分1Bへの化学物質の分類は,次の(a)(b)(c)いずれかによる。
a) 哺乳類におけるインビボ(in vivo)生殖細胞経世代変異原性試験による陽性結果。
b) 哺乳類におけるインビボ(in vivo)体細胞変異原性試験による陽性結果に加えて,当該化学物質が生殖細胞に突然変異を誘発する可能性についての何らかの証拠。この裏付け証拠は,例えば,生殖細胞を用いるインビボ(in vivo)変異原性若しくは遺伝毒性試験によって,又は当該化学物質若しくはその代謝物が生殖細胞の遺伝物質と相互作用する機能があることの実証によって導かれる。
c) 次世代に受け継がれる証拠はないがヒト生殖細胞に変異原性を示す陽性結果,例えば,ばく露されたヒトの精子中の異数性発生頻度の増加など
区分2
ヒト生殖細胞に経世代突然変異を誘発する可能性がある化学物質。
化学物質の区分2への分類は,次の(a)(b)いずれかによる。
a) 哺乳類を用いるインビボ(in vivo)体細胞変異原性試験の陽性結果。
b) インビトロ(in vitro)変異原性試験の陽性結果によって裏付けられたその他のインビボ(invivo)体細胞遺伝毒性試験の陽性結果。