フォールトトレランスとは【一部が故障しても大丈夫】

フォールトトレランスとは

 フォールトレランスとは「一部が故障しても大丈夫」という設計の考え方である。フォールト(故障)にトレランス(耐性)があるという意味である。

フォールトトレランスの考え方

  機械が故障しないためには、信頼性が高い部品等を使用して初めから不具合が発生しないようにすることが大切である。しかし、故障を0にすることはできない。そこで、一部の部品や構造などが故障しても残りの機能で動作できるようにするという設計の考え方はフォールトトレランスという。

 多重系で故障をカバーし安全を維持しようという考え方である。

フォールトトレランスの辞書解説

フォールトトレランス

あるシステムについて、起こりうる障害(誤作動や誤操作)に対する耐性のこと。また、この耐性を向上させるため、事前対策を行おうとする設計(思想)のこと。フェールセーフ・、フールプルーフなどの方法がある。

大辞林

フォールトトレランスの例

ブレーキ

 自転車やバイクのブレーキは前輪用と後輪用に分かれている。ブレーキは安全上とても重要な装置である。そのため、前輪用と後輪用をそれぞれ独立した機構としている。そうすることで、万が一どちらかが故障をした場合に、もう片方のブレーキを使用して停止することができる。

スキューバダイビングのレギュレーター

 スキューバダイビングを行う時に、背中に背負った空気が入ったタンクから口に繋がるホースを「レギュレーター」と呼ぶ、この「レギュレーター」は、人が水中で呼吸するための生命線であり、非常に重要な要素である。

 そこで、「レギュレーター」を2本備え、万が一片方が故障した場合に予備のレギュレーターを使用し、安全にダイビングをすることができるようにしている。ちなみに、2本目のレギュレーターのことは「オクトパス」と呼ぶ。

航空機のエンジン

 航空機のエンジンは複数搭載されており、仮にエンジンが1台故障しても継続して飛行できるように設計されている。また、パイロットもエンジンが故障した際の飛行方法についてトレーニングを積んでいる。

 エンジンが故障することは少ないが0ではない。航空機は空を飛ぶため、一度事故が起こると大惨事となるため、フォールトトレランスによって安全性を高めている。