フールプルーフとは【誰が使っても安全】

フールプルーフとは

 フールプルーフとは「誰が使っても安全」になるような設計思想である。フール(愚か者)が使ってもプルーフ(耐える)ことができるように設計するという意味である。

フールプルーフの考え方

 フールプルーフを実現するためには、誰が使っても安全な使い方しかできないような設計にすることが大切である。

 例えば、プレス機械に両手押しボタン操作式を導入する例がある。プレス機械とは機械で金型を介して原材料を成形する機械である。原材料を成形する部分に誤って人の手などが入ると、大怪我に繋がる。そのため、プレス機械を作動させるスイッチを、機械の左右にそれぞれ設け、それらを同時に押さなければプレス機械が作動しないようにする。それぞれのスイッチを同時に押すように設計することで作業者は両手でそれぞれのスイッチを押すことになり、作業者の手が誤ってプレス機械に巻き込まれることを未然に防いでいる。

フールプルーフの辞書解説

フールプルーフ

コンピューターなどのシステムについて、人間が誤って操作した際にも致命的な障害が起こらないようにすること。また、それを実現するための設計のこと。

大辞林

フールプルーフの例

扉を閉めないと動かない電子レンジ

 電子レンジは物を温める際にマイクロ波を発生させ水を振動させることにより対象物を発熱させている。人体にももちろん水が含まれており、人体にマイクロ波を照射すると危険である。

 そのため、電子レンジは扉が閉まった状態でなければ作動しないように設計されている。このように設計することで、電子レンジの扉が開いた状態で人が誤って作動スイッチを押しても、マイクロ波が発生せずに安全な状態が維持される。

 このような機構は電子レンジだけではなく、x線装置などにも使用されている。

ロック解除しないとお湯が出ないポット

 お湯を沸かすポットには、必ず「ロック解除」ボタンがあり、そのボタンを押してからしかお湯が出ない構造となっている。このような設計にすることで、人が誤ってお湯を出すボタンを押しても、熱湯が出てこないような仕組みになっている。

 ポットは一般家庭に広く普及しており、家庭によっては卓上に置くことなどがあり、小さい子供が触れる可能性もある。そのため、このような安全機構を備え、熱湯という危険源から人を守っている。