○耐寒促進剤とは
耐寒促進剤とは、初期凍害の防止や初期強度発現の改善を目的として使用する混和剤である。北海道・東北などの寒冷地では、初期凍害の恐れがある期間に全般的に使用されている。JISでは「AE減水剤・促進型」に分類されている。
耐寒剤はコンクリート中の水分の凍結温度を低下させるため、以前は防凍剤と呼ばれていた。
○耐寒促進剤を用いたコンクリートの特徴
【長所】
・コンクリート中の水分が-3℃まで凍結しなくなる
・低温環境下においても大幅な凝結遅延を起こすことなく硬化が進む
・早強セメント並の早強性を示す
・凍結温度以下でもかなりの量の水分が未凍結のまま残るため、一般のコンクリートに比べて凍結状態での強度発現性状に優れる
・給熱養生と比較すると火気を使用しないため安全である
・給熱養生が困難な狭隘な場所でも施工が可能である
【短所】
・気温が想定よりも高い場合は、コンクリートの温度が上がり温度ひび割れが発生する
・コンクリートにねばりが出るため、圧送性や表面処理に手間がかかる
・価格が高い
○耐寒促進剤の種類
【タイプ1】
耐寒促進成分にあらかじめAE・減水成分が付加されているタイプである。添加方法はプラント添加である。
【タイプ2】
耐寒促進成分のみで、AE減水剤や高性能AE減水剤と併用して使用する。添加方法はプラント添加・現場添加どちらも可能である。現場添加の際は耐寒剤自体も単位水量の一部として換算しておく必要がある。