○高流動コンクリートとは
 材料分離抵抗性を損なうことなく流動性を著しく高めたコンクリートであり、振動締め固め作業を行わなくても材料分離を生じることなく隅々まで充填することが可能な自己充填性を有するコンクリートである。
○自己充填性
 コンクリート標準示方書では高流動コンクリートの自己充填性のランクを構造物の形状・形状・寸法を考慮して規定することとしている。
| 自己充填性ランク | 1 | 2 | 3 | 
| 鋼材の最小あき(mm) | 35〜60程度 | 60〜200程度 | 200程度以上 | 
| スランプフロー(mm) | 700 | 650 | 600 | 
| 500mmフロー到達時間(秒) | 5〜20 | 3〜15 | 3〜15 | 
| 流下時間(秒) | 9〜20 | 7〜13 | 4〜11 | 
| 粗骨材絶対容積(m³/m³) | 0.28〜0.30 | 0.30〜0.33 | 0.33〜0.35 | 
| 主な対象構造物 | 高密度配筋部材 | 通常のRC構造物 | 配筋量の少ない構造物 | 
○混和剤
 高性能AE減水剤が不可欠である。高性能AE減水剤を使用することで単位水量を増やすことなく粘性を落とすことなく流動性を増すことができる。高性能AE減水剤の作用・効果は諸条件によって変動するため、事前の確認が重要である。
○高流動コンクリートの留意点
・粗骨材の表面水率の変動がフレッシュ性状に及ぼす影響が大きい
・圧送時の圧力損失は通常コンクリートに比べて大きくなる
・最大自由落下高さが5m程度以下
・最大水平流動距離が8m以下
・型枠に作用する側圧は原則として液圧として設計しなければならない
          