プレキャストコンクリート【Precast Concrete】

○プレキャストコンクリートとは
【プレ】:あらかじめ
【キャスト】:鋳造する
【コンクリート】:コンクリート
という意味であり、工場で製作して現場で組み立てるコンクリート製品のことである。

○プレキャストコンクリートの割合

 国内のセメント全消費量に占めるプレキャストコンクリートの割合は13%である。欧州諸国は25〜50%であるため、国内ではこれから普及の余地があると言える。

○プレキャストコンクリートの特徴
・工場で生産するので、品質が安定する
・JISによって標準化されているものが多い
・規格化により量産が可能
・規格化によりコスト削減が可能
・長高強度、軽量・重量などの特殊コンクリートが容易に使える

・工事現場での工程の省略可が可能

○成形・締固め
【振動締固め】
 内部振動機として棒状のバイブレーターを使用し、外部振動機として型枠バイブレーターを使用する、一般的な施工方法である。
【加圧締固め】
 型枠にフレッシュコンクリートを投入した後、蓋をして圧力を加えて締め固める方法である。加圧によりコンクリートが脱水され水セメント比が小さくなり、強度や耐久性が向上する。
【振動・加圧締固め】
 硬練りのコンクリートを振動をかけながら投入し、投入後加圧して成形する方法である。成形後は即時に脱型する。
【遠心力締固め】

 型枠を遠心機で回転させ、遠心力によって締固める。締固めの過程でコンクリートを脱水することができるが、エントレインドエアの混入が難しいという弱点がある。

○養生方法
【蒸気養生】
 加温・過失して強度の発言を早める養生方法である。養生温度は製品によって違いはあるが、60℃程が一般的である。
【オートクレープ養生】
 コンクリート製品を大型の円筒状圧力容器へ収納し、高温・高圧の飽和蒸気を通して養生する方法である。オートクレープ養生は180℃程度の高温高圧で行うため、水和反応によりトバモライトという強度の高い安定した水和物が生成される。そのため、コンクリートを製造した翌日には材齢28日強度と同程度の強度を得ることができる。