型枠の存置期間【土木と建築の違い】

○土木工事における型枠存置期間
 土木工事における型枠の存置期間および、取り外しの順序は各種の要因を考慮して定める。コンクリート標準示方書に示されている参考値を以下に示す。

部材面の種類
コンクリート圧縮強度(N/mm²)
厚い部材の鉛直または鉛直に近い面
傾いた上面、小さいアーチの外面
例:フーチングの側面
3.5
薄い部材の鉛直または鉛直に近い面
45°より急な傾きの下面
小さいアーチの内面
例:柱、壁、はりの側面
5.0
橋・建物等のスラブおよび梁
45°より緩い傾きの下面
例:スラブ、梁の底面、アーチの内面
14.0
 型枠は比較的荷重を受けない部分から順に取り外す。例えば、鉛直部分の型枠は水平部材の型枠から取り外して良い。また、固定ラーメン、アーチなどではコンクリートのクリープによって構造物に生じるひび割れを防ぐことができる場合がある。

 

○建築工事における型枠・支保工の存置期間
 建築工事における支保工存置期間は、多層ラーメン構造のRC構造物を基準に定められている。多層構造物では下階から順次コンクリートを打ち上げていくが、支柱の取り外しにあたっては上階の支柱から伝搬される施工荷重が問題になる。JASS 5 では支保工の在置期間は設計基準の強度の100%以上のコンクリート強度が得られたことを確認するまでであるが、構造上安全であることが確認されれば支保工を取り外してよいとしている。