コンクリートの製造【計量・練り混ぜ】

コンクリートの製造における材料の計量・練り混ぜについて記載する。
○レディーミクストコンクリートとは
 JIS A 0203 によるとレディーミクストコンクリートとは「整備されたコンクリート製造設備をもつ工場から、荷卸し地点における品質を指定して購入することができるフレッシュコンクリート」と定義されている。この定義に基づいた材料の計量・練り混ぜについて述べる。

 

○計量値の誤差
 以下に許容誤差を示す。
 高炉スラグ微粉末のみ他の混和材と許容誤差が違うので注意する。
材料の種類
許容誤差
セメント
±1%
骨材
±3%
±1%
高炉スラグ粉末
±1%
混和材
±2%
混和剤
±3%

 

○練り混ぜ設備
・バッチ式ミキサは、1練り分ずつコンクリート材料を練り混ぜるミキサーである。
1バッチあたりの容量は
 0.5,0.75,1.0,1.5,2.0,2.5,3.0[m³]
である。
・連続式ミキサは、コンクリート用材料の計量・供給および練り混ぜを行う各機械を一体化して、フレッシュコンクリートを連続して製造し、排出する装置である。

 

○材料の投入順序
 材料をミキサに投入する順序は、ミキサの形式、練り混ぜ時間、骨材の種類および粒度、配合、混和材料の種類などによって相違する。一般には、水は他の材料より少し早く入れ始めてその速度を一定に保ち、他の材料を同時に入れて、他の材料を同時に入れて、これが終わったのち少したって水の投入を終わるようにする。コンクリート標準示方書では、材料の投入順序をあらかじめ適切に定めておかなければならないと規定している。最初のバッチは適当量のモルタルを練って排出したのち、所定の材料を投入して練り混ぜを行うのが良い。

 

○練り混ぜ時間
 ミキサ練り混ぜ性能試験(JIS A 1119)によって決定する。コンクリート内のモルタル量をの偏差率が0.8%以下で、粗骨材量の偏差率が5%以下である場合には、均質に練り混ぜが行われたと考えてよい。練り混ぜ時間の試験を行わない場合には、最小時間を重力式ミキサーで1分30秒、強制練りミキサーで1分を標準としてよいとしている。
※重力式ミキサーとは、材料を羽ですくい上げて落下させることにより練り混ぜる方式のミキサーである。コインランドリーの乾燥機のようなイメージである。
※強制練りミキサーとは、ミキサー内の攪拌翼を回転させ練り混ぜる方式のミキサーである。ハンドミキサーで混ぜるようなイメージである。

 

○練り混ぜと圧縮強度
 練り混ぜ時間が短すぎると十分に混合されないため、均質なコンクリートとならない。このため圧縮強度は小さい値を示す。

 

○練り混ぜとスランプ
 スランプについてはある程度以上撹拌すると所定のスランプが得られ、その後の撹拌によってはあまり変化しない。

 

○練り混ぜ過ぎによる悪影響
 粗骨材の最大寸法が大きく骨材が堅硬でない場合は、その間に骨材が砕かれ微粉の量が増えたり空気量が減ることで、排出後の時間経過に伴うスランプの低下量が増大しコンクリートのワーカビリティーが悪くなる。コンクリート標準示方書では所定の練り混ぜ時間がの3倍以上練り混ぜてはならないとしている。