コンクリートの製造【材料の貯蔵】

コンクリートの製造における材料の貯蔵について記載する。
○レディーミクストコンクリートとは
JIS A 0203 によるとレディーミクストコンクリートとは「整備されたコンクリート製造設備をもつ工場から、荷卸し地点における品質を指定して購入することができるフレッシュコンクリート」と定義されている。この定義に基づいた材料の貯蔵について述べる。

○セメント
・バラセメント(袋詰めされていないセメント)は各JISにおける種類および生産者別に区別し、セメントサイロに貯蔵する。
・袋詰めセメントはその種類、入荷順序ごとに整理して貯蔵する。その場合、地上30㎝以上の床の上に積み重ねるのがよい。
・入荷のたびごとに、その種類、入荷年月日、数量を必ず記録する。
・貯蔵設備は防湿的でセメントの風化を防止できる構造、機能を有するものでなければならない。
・貯蔵中に塊の生じたセメントを用いてはならない。長期間貯蔵したセメントは、これを用いる前に試験をして品質を確かめなければならない。

 

○骨材
・細骨材と粗骨材、およびそれらの種類・産地あるいは粒度の異なる骨材は区切りをつけ、大小粒の分離が防止でき、かつ異物の混入が防止できるものでなければならない。
・床は排水できる構造とし、骨材中の過剰な水分を排除できるものでなければならない。
・冬季における氷雪の混入や凍結を防ぎ、夏季における乾燥や温度の上昇を防ぐための施設を設けるのがよい。
・軽量骨材用のものはプレウェッティングのため散水できる設備が必要である。
※プレウェッティングとは、軽量骨材などを使用する際に骨材をあらかじめ吸水させる操作。
・砕砂用には微粉分の逸散を防ぐために上屋や囲いを設けるのがよい。
・高炉スラグ細骨材は、その潜在水硬性のため1日の平均温度が20℃を超えるような時期に貯蔵する場合、粒子の固結を生ずる傾向が見られるので、貯蔵期間を短くする等の配慮が必要である。
・貯蔵設備の容量は最大出荷量の1日分以上としなければならない。
・貯蔵設備からコンクリート製造プラントまでの運搬設備は均質な骨材を供給できるようなものでなければならない。
・高強度コンクリートの製造に用いる骨材の貯蔵設備には必ず上屋を設けなければならない。

 

○混和材料
・混和剤は防湿的なサイロまたは倉庫等に品種別に区分して貯蔵し、飛散しないようにその取り扱いに注意しなければならない。
・混和剤はごみ、その他の不純物が混入しないよう、液状の混和剤は分離したり変質したり凍結しないよう、また粉末状の混和剤は吸湿したり固結したりしないようにこれを貯蔵しなければならない。