コンクリートの強度【強度は何で決まる?】

○コンクリートの強度
・コンクリートの強度は圧縮強度が一般的である。
圧縮強度を基準とすると
圧縮>曲げ(1/5)>引張(1/10)
 となる。
・セメント水比と圧縮強度がの間に比例関係があると言われ、セメント水比が大きくなる(セメントが多くなる)と強度が増す。
・骨材の表面が粗いとセメントペーストとの付着が良くなり、コンクリートの強度が増す。水セメント比が同じ場合、川砂利の代わりに砕石を用いると10〜20%強度が増す。

・コンクリートの強度発現は材齢7〜14日ぐらいまでが大きく、28〜91日程で安定する。
・コンクリートを乾燥させると一時見かけの強度は上昇するが、その後の強度増進はない。
・養生温度が高いと初期強度は大きくなるが、長期材齢での強度の伸びは小さい。
・練り混ぜ時間が短いと均質なコンクリートにならないため、強度が小さくなる。

 

○圧縮強度
  コンクリートの強度は一般的に圧縮強度で示す。圧縮強度は、生コンクリートを採取して円柱の供試体を作り、所定の養生期間を経た後、試験機で軸方向に圧縮力を掛け、供試体が破断した時の最大荷重より計算で求める。
供試体の作り方は JIS A 1132 に規定されている。直径は粗骨材の3倍以上かつ10㎝以上。高さは直径の2倍。供試体を突き固める際は2層に分けて突く。供試体の上面に凸があると試験時に弱点となり圧縮強度が低く出るので、平坦になるよう配慮する。
  試験時の荷重速度を速くすると見かけの強度が増大するため、圧縮載荷速度を毎秒0.6±0.4N/mm²と規定されている。

 

○曲げ強度
  コンクリートの曲げ強度試験は角柱試験体を用いて3等分点載荷で行う。角柱供試体の左右両端を下から支えた状態(構造力学の両端支持梁)に固定する。その状態で、供試体を3等分する2点で上部から荷重を与え、供試体が破断した時の最大荷重より計算を行う。JIS A 1106に試験方法が規定してある。
 曲げ強度は圧縮強度のほぼ1/5〜1/8程度である。

 

○引張強度
 コンクリートの引張強度は「割裂引張試験」を行って求めるのが一般的である。割裂引張試験は引張強度を間接的に求める方法である。円柱の供試体の側面に圧縮荷重を与えることで、間接的に供試体の円柱方向に引張力を働かせて強度を測定する。具体的な測定方法はJIS A 1113 に規定してある。
 コンクリートの引張強度は圧縮強度の1/10〜1/13程度であり、高強度コンクリートになると比が小さくなる。