水中コンクリート【「水中」と「水中不分離」は違う】

○水中コンクリートの種類
【一般の水中コンクリート】

 一般的なコンクリートを水中で打設

【水中不分離コンクリート】
 混和剤を使用して材料分離抵抗性を高めたコンクリート

【場所打ち杭等で打設するコンクリート】
 掘削箇所に鉄筋かご等を建て込み打ち込むコンクリート

○一般の水中コンクリート
・水セメント比は50%以下
・単位セメント量は370kg/m³以上
・打込みは静水中で、流速は5㎝/s以下とする
・トレミーもしくはコンクリートポンプで打ち込む
・先端は既に打ち込まれたコンクリートに30〜50㎝程度挿入する
・連続して打ち込むことを原則とする

○水中不分離コンクリート
・材料分離を生じることなく高い充填性やセルフレベリング性を発揮する
・水中で落下させても分離しにくく、水質を汚濁しにくい
・凝結時間は通常のコンクリートより5〜10時間遅延する
・乾燥収縮量は通常のコンクリートに比べて20〜30%大きい
・耐凍害性が低い
・コンクリートの流動性はスランプフローで評価する
・スランプコーンを引き上げてから5分後に測定する
・練り混ぜ量はミキサ公称容量の80%以下とするのが良い
・打込みは静水中で、流速は5㎝/s以下とする
・水中落下高さは50㎝以下とする
・水中流動距離は5m以下とする
・ポンプ圧送時の圧送負荷は通常コンクリートの2〜3倍
・ポンプ圧送時の打込み速度は1/2〜1/3

○場所打ち杭等で使用するコンクリート
・安定液中ではベントナイトが鉄筋に付着し、付着強度が低下する
・水中施工時の強度は気中施工時の強度の0.8倍とみなす
・安定液中施工時の強度は気中施工時の強度の0.7倍とみなす
・水セメント比は55%以下
・単位セメント量は350kg/m³以上
・掘削箇所にコンクリートを打ち込む場合のかぶりは10㎝以上
・スライムの除去を確実に行う
・トレミー先端はコンクリート中に2m以上挿入する
・余盛り高さは50㎝以上