技術士第二次試験建設部門の必須科目の解説・考察を行う。
平成28年度技術士第二次試験問題【建設部門】
15.平成26年度国土交通白書に示されたICTの利活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 国土交通分野における情報化施策は、内閣総理大臣を本部長とするIT総合戦略本部(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)と連携して推進されている。
- 「地理空間情報」をICTを用いて更に高度に利活用するため、「地理空間情報活用推進基本計画」に基づき、「G空間社会(地理空間情報高度活用社会)」の実現に向けた取組が推進されている。
- CIM(Construction Information Modeling)の導入に向けた取組の多くは、二次元モデルの導入に留まっている。
- 高度道路交通システム(ITS)として社会に浸透したものの1つに走行経路案内の高度化を目指した道路交通情報通信システム(VICS)があり、旅行時間や渋滞状況、交通規制等の道路交通情報が提供されている。
- ETC2.0サービスとして、渋滞回避支援、安全運転支援、災害時の支援といった情報提供が始まった。
○解答と解説
最も不適切なものは[3]である。3次元モデルが導入されている。
○その他のキーワード
・地理空間情報高度活用社会
誰がいつでもどこでも必要な地理空間情報を使ったり、高度な分析に基づく的確な情報を入手し行動できる社会。
・CIM(Construction Information Modeling)
ICTツールと3次元データモデルの導入・活用により建設事業全体の生産性向上を図ろうとする取組。
・高度道路交通システム(ITS)
Intelligent Transport Systems である。
人と道路と自動車の間で情報の受発信を行い、道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策など、様々な課題を解決するためのシステム。
・ETC2.0
今までのETCの高速道路利用料金収受だけではなく、渋滞回避や安全運転支援といったドライバーに有益な情報を提供するサービスである。将来的には街中での駐車場の料金支払いや車両の入庫管理など多目的利用が推進されている。ETC2.0でサービスされる情報はITSスポットから車に自答的に送信される。情報はカーナビもしくはスマートホンで確認することができる。VICSもETC2.0の1つである。
※利活用:利用し活用すること