必須科目過去問の解説と考察【建設部門H28-18】

技術士第二次試験建設部門の必須科目の解説・考察を行う。
平成28年度技術士第二次試験問題【建設部門】
18.次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. コンクリートは圧縮強度が引張強度に比べて低く、この欠点を補うために、鉄筋などの鋼材を使用して鉄筋コンクリート構造にしている。
  2. 飽和粘土のような透水性が小さい土に荷重が加わり、内部の間隙水が徐々に排出されて時間とともに体積が減少していく減少を圧密という。
  3. 設計基準強度が、18N/mm²のコンクリートと30N/mm²のコンクリートのヤング係数を比較すると前者の方が後者より大きい。
  4. マニング(Manning)の平均流速公式において、粗度係数が大きいほど流速は速くなる。
  5. モルタルの構成材料は、コンクリートを構成する材料から細骨材を除いたものである。
○解答と解説
 最も適切なものは[2]である。問題文の通りである。

 

○その他のキーワード
 コンクリートの強度は圧縮強度が一般的である。
圧縮強度を基準とすると
圧縮>曲げ(1/5)>引張(1/10)
 となる。
・ヤング係数
 フックの法則が成立する弾性範囲における、同軸方向のひずみと応力の比例定数である。圧縮強度が大きいほどヤング率も大きくなる。普通コンクリートの場合、ヤング率は25〜31(kN/mm²)である。
・マニングの平均流速公式
V=1/n × R^(2/3) × I^(1/2)
ここで
V:流速[m/s]
n:粗度係数
I :勾配
R:径深[m]=A/S
A:流積[m²]
S:潤辺[m]
である。
粗度係数は河川等の抵抗を示すため、粗度係数が大きいほど抵抗が大きくなり流速は遅くなる。
・モルタル
 モルタルはコンクリートから「粗骨材」を除いたものである。