軌道装置の使用【後押し、坑内運行ルール】

労働安全衛生規則
第196条〜第236条
は軌条設備に関する条文である。
 車両の後押しついて規定しているのが224条・225条である。
以下条文

 

(車両の後押し運転時における措置)
第二百二十四条  事業者は、建設中のずい道等の内部において動力車による後押し運転をするときは、次の措置を講じなければならない。ただし、後押し運転をする区間を定め、当該区間への労働者の立入りを禁止したときは、この限りでない。
一  誘導者を配置し、その者に当該動力車を誘導させること。
二  先頭車両に前照灯を備えること。
三  誘導者と動力車の運転者が連絡でき、かつ、誘導者が緊急時に警報できる装置を備えること。

 

(誘導者を車両にとう乗させる場合の措置)
第二百二十五条  事業者は、前条の誘導者を車両にとう乗させるときは、誘導者が車両から転落する危険を防止するため、誘導者を囲いを設けた車両又は乗車台にとう乗させる等の措置を講じなければならない。
[解説]
 「後押し」とはバッテリーロコの切羽側に資材を積んで切羽に向かって走る場合、もしくはバッテリーロコの坑口側に資材を積んで坑口に向かって走る場合である。要するにバッテリーロコで台車を牽引するのではなく、押す場合のことである。この場合は進行方向の確認が困難になるためこのような規定がされている。労働者の立ち入り禁止を確実にするために安全通路を確保したり、前方を確認できるようにカメラを設置するといった対応を行う必要がある。

 

 

 軌道装置を使用する際の注意事項に関する条文は以下の通りである。
(信号装置の表示方法)
第二百十九条  事業者は、信号装置を設けたときは、あらかじめ、当該信号装置の表示方法を定め、かつ、関係労働者に周知させなければならない。

 

(合図)
第二百二十条  事業者は、軌道装置の運転については、あらかじめ、当該運転に関する合図方法を定め、かつ、これを関係労働者に周知させなければならない。
2  前項の軌道装置の運転者は、同項の合図方法により運転しなければならない。

 

(制限速度)
第二百二十二条  事業者は、車両の運転については、あらかじめ、軌条重量、軌間、こう配、曲線半径等に応じ、当該車両の制限速度を定め、これにより運転者に、運転させなければならない。
2  前項の車両の運転者は、同項の制限速度をこえて車両を運転してはならない。

 

 (運転席から離れる場合の措置)
第二百二十六条  事業者は、動力車の運転者が運転席から離れるときは、ブレーキをかける等車両の逸走を防止する措置を講じさせなければならない。
2  前項の運転者は、運転席から離れるときは、同項の措置を講じなければならない。
[解説]
これらの内容を現場内でルール化し周知しなければならない。そのため、坑口に「坑内運行ルール」を掲示している現場が多い。