脱塩工法【塩分を電気泳動】

○目的
 塩害により劣化した構造物の塩分を、コンクリート外へ取り出すことを目的とする工法である。外部電極とコンクリート中の鋼材との間に直流電流を流し、コンクリート中の塩化物イオンを除去し鋼材を不動態化させる。

○概要
 コンクリート表面に水酸化カルシウムやホウ酸リチウムなどの電解質溶液を含んだ陽極材を設置し、直流電流を陽極材からコンクリート中の鋼材に向かって約8週間程度流す。
 コンクリート中の塩化物イオンをコンクリートの外へ電気泳動させることにより脱塩する。

 

○長所
・大規模なはつり作業は不要
・一時的(約8週間)な通電処理で補修が完了する

 

○短所
・鋼材に電極を設置するため、一部はつり作業が発生する
・構造物に接して液体(陽極材)を設置する必要がある
・PC部材に適用する場合は水素脆性が懸念されるため検討が必要