位相変化測定によるひび割れ深さ調査【ひび割れの深さを推定】

○概要
 位相変化測定によるひび割れ深さ調査は、弾性波を利用したコンクリート内部欠陥の調査方法の1つである。コンクリート表面からひび割れが発生している場合の深さの推定を行う場合に行う。
 コンクリート表面のひび割れを挟んで弾性波を伝搬させると、ひび割れ先端で回折が生じる。このとき、解析角度90°を境に波の性質が変化し、受振点における到達波の位相が変化する。センサの位置を変化させて回折角度が90°となるセンサ位置を見つけることができれば、ひび割れ深さを推定することができる。

○ひび割れ測定手順
  1. 表面に見えるひび割れを挟んで、その直角方向に想定されるひび割れ深さ以上の距離の側線を設ける。
  2. 測線上のコンクリート表面の付着物を取り除き、表面を平滑にする。
  3. 側線上に接触剤を塗布し、ひび割れを挟んで受振子と発振子を壁面に密着させる。
  4. 発振子と受振子の位置をひび割れに対して線対称になるように保ち、ひび割れから遠ざかるように移動しながら受信波形を観察する。
  5. 受信波形が変化する点を探し出し、ひび割れからその位置までの距離をひび割れ深さとする。