付着モルタル安定剤【環境対策】

○付着モルタル安定剤とは
 付着モルタル安定剤とは、トラックアジテーターのドラム洗浄時に添加して付着したモルタルの凝固を遅延させ、安定的なスラリーとして翌日のコンクリートに混合して有効利用することを可能にする混和剤である。

 荷卸しを終了したトラックアジテータのドラム内部に付着したモルタル分は、生コンクリート工場で洗浄されて固形物は産廃処理されるのが従来の方法である。また、洗い水はセメントを含むためアルカリ性の排水が発生するため、放流前にpH調整が必要である。付着モルタルの量は大型車1台当たり30リットル程度であり、これらの処理に多額の費用、労力及び時間も要するのが現状である。

 

○付着モルタル安定剤を用いるメリット
・洗浄水を大幅に減少
・排水処理作業を省力化
・はつり作業軽減
・環境汚染を低減
・洗車の待機時間を短縮
・洗車場以外でも洗浄可能
・廃棄物の減量化

 

○付着モルタル安定剤の使用方法
1.付着モルタル安定剤希釈溶液を作る
 【大型車】
 25℃以下の場合 ⇒ 安定剤1リットル + 上水道水49リットル
 25℃以上の場合 ⇒ 安定剤1.5リットル + 上水道水48.5リットル
 【小型車】
 25℃以下の場合 ⇒ 安定剤0.6リットル + 上水道水29.4リットル
 25℃以上の場合 ⇒ 安定剤0.9リットル + 上水道水29.1リットル

 

2.希釈液をドラム内に投入する
 コンクリートの練り混ぜから3時間以内に投入する

 

3.高速攪拌を1分間行う
 ドラム壁面の付着モルタルと希釈液を十分混合する

 

4.正転・逆転の繰り返しを1分間行う
 スラリー状になったモルタルを十分に攪拌する

 

5.モルタルがドラム内の最前低部に集まる位置でドラム停止
 ドラム内に雨水が入らないように養生する
 ドラム内のスラリーが凍結しないよう養生する

 

6.新たなコンクリートを積み込む
 スラリー化してから24時間以内に新たなコンクリートを積み込む
 新たに積み込むコンクリートの配合は、希釈水分の水を差し引いた配合とする