骨材【含水状態】

○骨材とは
 骨材とは土木学会によると「モルタル、またはコンクリートをつくるために、セメントおよび水と練り混ぜる砂、砂利、砕砂、採石、スラグ骨材、その他これらに類似の材料」と規定されている。骨材は英語でaggregateであり、「骨材」という意味以外に「集合体」という意味がある。骨材はコンクリートの体積の約7割を占めるため、コンクリートの諸性質に及ぼす影響は大きい。

○骨材の含水状態
 含水状態とは骨材がどの程度水分を含んでいるかを表す言葉である。骨材に含まれる水分量によって4つの呼び方がある。
乾燥している順に
 絶対乾燥状態<空気中乾燥状態<表面乾燥状態<湿潤状態
である。
 絶対乾燥状態(絶乾状態)とは、水分が0の状態である。骨材を乾燥用の炉などに入れて骨材内部まで完全に乾燥している状態である。空気中乾燥状態(気乾状態)は骨材の内部には水分があるが飽和していない状態である。表面乾燥状態(表乾状態)は骨材の内部は水分で満たされているが、骨材表面は乾燥している状態である。湿潤状態は骨材内部が水分で満たされ、さらに骨材表面にも表面水を蓄えた状態である。

 

・吸水量
骨材が吸水できる水の量であり、内部に蓄える量を表す。式で表すと
 吸水量=表乾状態の水分量
となる。

 

・含水量
骨材が貯めることができる水の量であり、表面水も含む。式で表すと
 含水量=湿潤状態の水分量
    =吸水量+表面水量
となる。

 

○含水状態に関係する骨材の品質項目
 密度、吸水率、表面水率の3つがある。

 

・密度
 骨材を評価する際は「絶乾密度」と「表乾密度」を使用する。

 

・吸水率
 吸水率は骨材の内部の空げきの大小を評価する基準である。吸水率が大きいとスランプの変動(低下)、乾燥収縮、などが大きくなる。吸水率を式で表すと
 吸水率(%)=吸水量÷絶乾状態の質量
となる。

 

・表面水率
 表面水率を式で表すと
表面水率(%)=表面水量÷表乾状態の質量
となる。
 表面水率によってコンクリートの練り上がりのスランプ等が大きく変わる。

 

○JIS規格
砂利及び砂の品質[JIS A 5308]
項目
砂利
絶乾密度(g/cm²)
2.5以上
2.5以上
吸水率(%)
3.0以下
3.5以下
採石および砕砂の品質[JIS A 5308]
項目
砕石
砕砂
絶乾密度(g/cm²)
2.5以上
2.5以上
吸水率(%)
3.0以下
3.0以下
絶乾密度の規定は全て同じである。吸水率は砂の吸水率のみ3.5以下である。