混和材【シリカフュームの大きさはどれぐらい?】

○混和材とは
 使用量がある程度多く、それ自体の容積をコンクリートに算入する。

○シリカフューム
 シリコンなどを製造するときに生じる排ガスを捕集して得られる球形の超微粒子であり、粒径は1μm以下である。シリカフュームの粒径を身近な物と比べると

 

 一般的なマスクの穴(5μm)>シリカフューム(1μm)>インフルエンザウイルス(0.1μm)
となる。

 

 シリカフュームは英語でsilica fumeであり、「silica」は「二酸化ケイ素」 「fume」は「ガス、煙」という意味である。水セメント比が20%でもシリカフュームをセメントに置換することで流動性を確保したまま高強度が得られる。強度発現性やセメント粒子間の充填性(マイクロフィラー効果)などにより高強度コンクリート用の混和材として使用する。
マイクロフィラー効果:シリカフュームは超微粒子であるシリカフュームが、大きい粒子の粒子間を充填すること。マイクロフィラー=「micro」「 filler」=「マイクロサイズ」の「詰め物」

 

○フライアッシュ
 石灰火力発電所などで燃焼排ガス中に浮遊する微細な灰を電気集塵機で補修したもの。フライアッシュは英語でfly ashであり、文字通り飛んでる灰である。
 【特徴】
1.フライアッシュの粒子は表面が滑らかな球状で、コンクリートに混和するとボールベアリング的な作用によりコンクリートのワーカビリティーが改善され単位水量が減少する。
2.十分な湿潤養生を行えば長期にわたって強度が増進し、水密性も向上する。3.化学的な作用や海水に対する抵抗性が大きくなる。
4.セメントの一部と代替した場合セメントの水和熱が緩和されるので、マスコンクリートに適している。
5.フライアッシュの混入率を15%以上とすれば、アルカリ骨材反応が抑制される。
6.ポゾラン反応により水酸化カルシウムを消費するため、中性化の進行が早くなる。
ポゾラン反応:フライアッシュに含まれる二酸化ケイ素とセメントの水和反応により生成される水酸化カルシウムが反応して、不溶性の安定なケイ酸カルシウム水和物が生成される現象。
【関係記事】
フライアッシュの特徴
フライアッシュの品質規定
フライアッシュの種類
フライアッシュセメント

 

○高炉スラグ微粉末
 高炉から排出された溶解状態のスラグを水や空気で急冷し、微粉砕したもの。
 【特徴】
1.粉末度が小さく置換率が大きい場合は温度ひび割れを低減する。
2.硫酸塩や海水に対する耐久性が改善され、アルカリシリカ反応に対する抑制効果が大きい。
3.中性化は一般のコンクリートよりやや大きくなる。
4.十分に湿潤養生をすれば、長期強度が増大し乾燥収縮が低減する。
5.スラグの粉末度が大きい場合には自己収縮が大きくなる。
 【関係記事】
・高炉セメント
・高炉スラグ微粉末の種類
・高炉スラグ微粉末の品質規定
・高炉スラグ微粉末の特徴

 

○膨張材
 水和反応によってエトリンガイトあるいは水酸化カルシウムの結晶を生成して、モルタルやコンクリートを膨張させる。膨張剤を混入したコンクリートを膨張コンクリートと呼び、目的によって2種類に分けることができる。
1.収縮補償コンクリート:コンクリートの収縮を補償し、ひび割れの低減を目的とする。
2.ケミカルブレストコンクリート:膨張材を大量に使用し、膨張を鉄筋などで拘束しケミカルプレストレスを導入する。

 

○石灰石微粉末
 コンクリートの流動性の改善、水和熱の低減などを目的として使用する。特に高流動コンクリート材料分離抵抗性を確保するために多量に使用する。石灰石微粉末は一般的に結合材とみなされない。