混和剤【エントレインドの意味】

 混和「剤」と混和「材」の違いは使用量の多少である。混和剤は薬品のように少量使い、使用量は練り上がり容積に算入しない。混和材は使用量が比較的多く、それ自体の容積をコンクリートの配合に算入する。JIS A 6204「コンクリート用化学混和剤」ではAE剤高性能減水剤硬化促進剤減水剤AE減水剤高性能AE減水剤流動化剤が規定されている。

○AE剤
 AE剤=Air Entraining剤 であり、空気連行剤と翻訳できる。「Entrain」は「En」「train」で列車などに乗るという意味。「コンクリートなどの中に多数の微細な独立した空気泡を一様に分布させ、ワーカビリティー及び耐凍害性を向上させる化学混和剤。」(JISより) コンクリート中に多くの独立した微細な空気泡(エントレインドエア)を一様に連行する。エントレインドエアは球状の独立した微細な空気泡であり、ボールベアリング効果でワーカビリティーが改善される。また、エントレインドエアが適当量存在するとコンクリート中の自由水が凍結による膨張圧を緩和する働きをするため耐凍害性が著しく増大する。
※化学混和剤:主として、その界面活性作用及び水和調整作用によってコンクリートの諸性質を改善するために用いる混和剤。

 

○高性能減水剤
 「 所要のスランプを得るのに必要な単位水量を大幅に減少させるか、単位水量を変えることなくスランプを大幅に増加させる化学混和剤。」(JISより)
 必要なコンクリートの軟らかさを得るために単位水量を大幅に減少させるか、同じ単位水量でコンクリートの軟らかさを大幅に増加させる。

 

○硬化促進剤
 「 セメントの水和を早め、初期材齢の強度を大きくする化学混和剤。」(JISより)寒中期におけるコンクリートの硬化速度を改善し、初期強度発現を促進させる。

 

○減水剤
 「 所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させる化学混和剤。」(JISより)
 減水剤を添加すると、セメント粒子は静電気的な反発作用によって分散し、セメントペーストの流動性が増加する。

 

○AE減水剤
 「 空気連行性能をもち、所要のスランプをえるのに必要な単位水量を減少させる化学混和剤。」(JISより)
 セメント分散作用と空気連行作用を併有する混和剤である。

 

○高性能AE減水剤
 「 空気連行性能をもち、AE減水剤よりも高い減水性能及び良好なスランプ保持性能をもつ化学混和剤」(JISより)

 

○流動化剤
 「 あらかじめ練り混ぜられたコンクリートに添加し、これを攪拌することによって、その流動性を増大させることを主たる目的とする化学混和剤。」(JISより)空気量が過大に増加しない高性能減水剤を主成分としている。


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