ポルトランドセメント【化学組成の覚え方】

○セメントの作り方
 セメントの原材料は主に石灰石と粘土である。まず、石灰石と粘土を細かく粉砕したものをキルンと呼ばれる大きな窯で1450℃で焼く。この過程を焼成という。焼成すると石灰石と粘土は混ざり合いながら融解し、これが冷却されるとセメントクリンカーと呼ばれる塊になる。セメントクリンカーを細かく粉砕し、少量の石こうと混合してセメントが完成する。

○ポルトランドセメント
 ポルトランドセメント(Portland Cement)とは現在一般的に使用しているセメントの総称である。
【ポルトランド(Portland)】
 イギリスにあるポルトランド島という島の名前で、硬化したセメントがポルトランド島で取れる生石灰に似ているため付いた名前である。
【セメント(Cement)】
 英語で「接着させる」「結合させる」という意味がある。

 

○ポルトランドセメントの種類
 普通・早強・超早強・中庸熱・低熱・耐硫酸塩がある。それぞれ下記の組成化合物の割合が違う。

 

○ポルトランドセメントの組成
1.けい酸三カルシウム=C₃S=エーライト
 セメントの主成分である。低熱セメント・中庸熱セメント以外のセメントでは50%以上を占める。中庸熱セメントでは50%以下と規定されている。

 

 水和反応速度:比較的早い
 強度:28日以内の早期
 水和熱:中
 収縮:中
 化学抵抗性:中

 

※覚え方
けい酸三カルシウム
 ⇒けい酸三
 ⇒サンサン
 ⇒太陽
 ⇒太陽のようにドンと構える主成分

 

2.けい酸二カルシウム=C₂S=ビーライト
 低熱セメント以外では2番目に含有量が多い成分である。低熱セメントでは一番多く含まれており、40%以上と規定されている。水和熱を下げるのが特徴である。

 

 水和反応速度:遅い
 強度:28日以後の長期
 水和熱:小
 収縮:小
 化学抵抗性:大

 

※覚え方
けい酸二カルシウム
 ⇒けい酸二
 ⇒ケイサンニ
 ⇒兄さん
 ⇒化学に強いクールな兄さん

 

3.アルミン酸三カルシウム=C₃A=アルミネート相
 早強や超早強に多く含まれる。水和熱が大きく化学抵抗性が小さいため中庸熱・低熱・耐硫酸塩では少ない。中庸熱で8%以下、低熱で6%以下、耐硫酸塩で4%以下と規定されている。

 

 水和反応速度:非常に早い
 強度:1日以内の早期
 水和熱:大
 収縮:大
 化学抵抗性:小

 

※覚え方
アルミン酸三カルシウム
 ⇒アルミン酸三
 ⇒アルミは花火の白色の成分
 ⇒花火のように短く膨らんで燃える

 

4.鉄アルミン酸四カルシウム=C₄AF=フェライト相
 地味である。各種セメントで量の規定はない。名前だけ覚えれば良い。

 

 水和反応速度:非常に早い
 強度:ほとんど寄与しない
 水和熱:小
 収縮:小
 化学抵抗性:中