○AE剤とは
AE剤とは、コンクリート中に多くの微細な空気泡を連行し、ワーカビリティーの改善および耐凍害性を向上させるために用いる混和剤である。英語で書くとAir【空気】 Entraining【連行】 Agent【薬品】となる。AE剤は界面活性剤であり、液体である。
※界面活性剤とは、物質の界面(表面)に働いて界面の性質を変える物質である。普段は混ざりあわないものを混ぜることができる。
○耐凍害性
コンクリート中に連行空気泡が適当量存在すると、自由水の凍結による大きな膨張圧を緩和し、自由水の移動を可能にする。その結果、凍結融解の繰り返しに対する抵抗性が増大し、耐凍害性が向上する。この効果は空気泡の粒径と分布状態に依存する。良質なAE剤を用いた場合、直径30〜250μmの空気泡がコンクリート1m³あたり数千億個含まれる。
○ワーカビリティー
連行空気泡はコンクリート中でボールベアリングのような作用をするので、ワーカビリティーが改善される。この結果、単位水量を減少させることができ、ブリーディングなどの材料分離が少なくなる。
○圧縮強度
圧縮強度は空気量の増加に反比例して低下する。同一水セメント比の場合、空気量が1%増加すると材齢28日の圧縮強度が4〜6%低下する。
○その他
・エントレインドエアとは、AE剤によってコンクリート中に分布した空気泡である。球状でそれぞれ独立した微細な空気泡である。
・エントラップドエアとは、コンクリート中に自然と混入する空気のことである。粗大なのものが多く不定形であり、ワーカビリティーの改善や耐凍害性に効果はない。
・セメントの粉末度が大きくなるほど、セメント量が多くなるほど空気連行能力は低下する。
・細骨材のうち0.6〜0.3mmが多いと空気泡が連行されやすく、0.15mm以下が多いと連行されにくい。
・コンクリートの練り上がり温度が低いほど空気量は増加する
・フライアッシュに含まれる未燃炭素はAE剤を吸着するため、併用するとAE剤の必要量が増加する。