石灰石微粉末【粉体として使用】

○背景
 近年、コンクリートの流動性の改善、水和熱の低減などを目的として、比表面積3000〜8000cm²/g程度の石灰石微粉末がコンクリート用の混和剤として使用されるようになった。
 特に高流動コンクリートでは所要の材料分離抵抗性を確保するために多量の粉体を必要とする。石灰石微粉末はその化学的活性の低さから粉体量の増大に伴う水和熱の増加を抑制できる利点がある。

○石灰石微粉末とは
 石灰石微粉末は石灰石を微粉砕したものである。主成分は炭酸カルシウム(CaCo₃)である。石灰石微粉末は活性度が低いため、フライアッシュや高炉スラグ微粉末などとは異なり、一般に結合材とはみなされない。

 

○石灰石微粉末の反応
 石灰石微粉末はセメント中のC₃Aと反応してモノカーボネートを生成する。石灰石微粉末の反応は初期強度を促進させるが、長期強度には寄与しない。