ダムコンクリート【アーチ式・重力式】

○ダムとは
 ダムとは、河川を横断して流水を貯留または取水するために建設される高さ15m以上の工作物である。近年施工されるダムは「重力式ダム」と「アーチ式ダム」の2種類である。「重力式ダム」はダムの自重によって作用する外力に抵抗する。「アーチ式ダム」は作用する外力を躯体に生じるアーチ作用で両岸の地盤に伝達して安定を図る。

○ダムコンクリートの特徴
・非常に大量のコンクリートを打ち込む
・セメントの水和熱によるひび割れが発生しやすい
・設計基準強度は材齢91日の圧縮強度

・施工方法は「有スランプコンクリート」と「RCD工法」がある

○材料

 セメントは水和熱が小さく長期強度が大きいことが望ましいため、中庸熱セメントをベースとしてフライアッシュを30%程度置換したものがよく用いられる。ダム用の骨材は大量に使用するため、現場近くで採取する。

○有スランプコンクリートの施工

 ダムコンクリートのスランプは2〜5㎝が標準のため、コンクリートポンプではなくクレーンとバケットによる運搬が主流である。また、ダムコンクリートは鉄筋を要せずに新旧コンクリートの一体化を図る必要があるため、念入りな打継ぎ面の処理は求められる。

○RCD工法による施工
 RCD(Roller Compacted Concrete Dam)工法は「ローラー」で超硬練りの「コンクリート」を転圧して「ダム」を作る工法である。超硬練りコンクリートとは、単位水量が少ない非常に硬いコンクリートであり、スランプ0㎝のコンクリートである。