○コンクリートの打ち継ぎとは
硬化した状態にあるコンクリートに接して、新たなコンクリートを打ち込む行為である。打ち継ぎ目は構造的に完全には一体化しにくいため、水密性や耐久性の面で欠陥となりやすい。そのため、打ち継ぎ位置やその形状および方法はあらかじめ設計図書に示されるのが原則である。
○コンクリートの打ち継ぎ位置
・できるだけせん断力が小さい位置に設け、圧縮力を受ける方向と直角にする。梁および床ではスパンの中央付近に設け、柱や壁では床または基礎の上端に設ける。
・やむを得ずせん断力が大きい位置に打ち継ぎ目を設けるときは、ほぞまたは溝などの凹凸を設けてせん断力を確実に伝達できるようにするか、適当な補強鋼材を配置して補強しなければならない。
※ほぞとは柱などの端部に凸型に小さく突出させた直方体の細工のことである。ほぞが入る穴をほぞ穴という。木材の柱や梁などを釘を使わずに接合するときによく使用する方法である。
・打ち継ぎ目の計画にあたっては、温度変化や乾燥収縮によるひび割れの発生を予想して、その位置および構造を定めておくことが必要である。
・海洋構造物など塩害が生じるおそれのある構造物においては、打ち継ぎ目はできるだけ避け、やむを得ずこれを設ける場合には感潮部分を避ける必要がある。
※感潮部分とは、満潮位から上60cmと干潮位から下60cmの間