コンクリートポンプによる打設【ポンパビリティーの要因】

○コンクリートポンプの種類
 駆動方式によって「ピストン式」と「スクイズ式」に分けられる。

・ピストン式コンクリートポンプ
 コンクリートポンプ車で使用しているポンプのことである。シリンダー内のコンクリートをピストンにより押し出し、コンクリートを圧送する。動力は油圧が一般的である。

 

・スクイズ式コンクリートポンプ
 モルタルポンプがスクイズ式のコンクリートポンプの代表格である。ポンプ内のチューブをローラーが回ることにより絞りながら押し出して圧送する。構造が簡単で取り扱いが容易であるため、小規模で軟練りのコンクリートの圧送に適している。

 

○ポンプの選定
 使用するコンクリートポンプの機種はコンクリートの配合や運搬距離などから圧送負荷を計算して選定する。コンクリートポンプの能力が不足すると、輸送配管が閉塞したり施工能率が低下する。

 

○輸送管の径の決定
 輸送艦の径は粗骨材の最大寸法でおおよそ決定できる。最大寸法が20・25mmの場合は輸送管は100mm(4インチ)とし、最大寸法が40mmの場合は輸送管は125mm(5インチ)以上とする。

 

○特別な配慮が必要な条件
・軽量骨材や高炉スラグ骨材など吸水率が高い骨材を用いる場合
 吸水率が高い骨材を使用するとコンクリート中の水分が骨材に吸収され、スランプが低下しポンパビリティーが低下する。事前に骨材に十分吸水させる必要がある。(プレウェッティング)

 

・高強度コンクリート、水中不分離性コンクリートなど粘性が高いコンクリートを打設する場合
 粘性が高いコンクリートは粘り気があるため配管内に付着し、圧送抵抗が高くなる。

 

○ポンパビリティーの要因
・セメント量が少なくなると材料分離が起きやすくなり閉塞が生じやすい。
配管内で材料分離が起きると骨材が配管内で詰まり、閉塞する。

 

・スランプが小さくなると管内抵抗の増加と吸い込み性能の低下により圧送性が低下する。
 時間経過に伴う配管内のコンクリートのスランプの低下が最も多い閉塞の要因である。コンクリート打設中のトラブルにより配管内にコンクリートが残ったままの状態で打設が止まった場合は、インターバル運転や一度配管内のコンクリートを破棄する等の対応が必要となる。

 

・骨材の粒度分布が悪い場合、細骨材中の微粒分が不足する場合、細骨材率が低すぎる場合は流動性が低下して閉塞することがある。

 

・粗骨材に砕石を用いる場合は、細骨材率を高くする必要がある。
 砕石を用いると川砂利を用いる場合よりスランプが低くなるため、細骨材率を高くしてポンパビリティーを確保する。