○寒中コンクリートとは
コンクリート標準示方書では”日平均気温が4℃以下になると予想されるときは、寒中コンクリートとして施工を行わなければならない”と定めている。コンクリート打込み後初期材齢において寒気にさらされ1回でも凍結するとコンクリートは初期凍害を受け、その後適切な温度で養生しても強度・耐久性・水密性などコンクリートに求められる所要の品質が得られない。
○セメント
普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントを用いることを標準とする。セメントはできるだけ冷えないように貯蔵するが、いかなる場合でも加熱してはならない。
○骨材
骨材は冷えないように貯蔵し、凍結や氷雪の混入を防止する。骨材の加熱は温度が均等かつ過度に乾燥しない方法によらなければならない。直接火で熱してはならない。骨材を65℃以上に熱すると取り扱いが困難になり、セメントを急結させる恐れがある。
○水
練り混ぜ水は冷えないように貯蔵し、必要に応じて加熱して用いる。水は材料の中で熱容量が大きく加熱が容易な点で有利である。温水はセメントが急結するおそれがあるので、水と骨材の混合物の温度を40℃以下とする。
○混和剤
寒中コンクリートでは耐凍害性を高めるためにAEコンクリートとすることが有効であり、AE剤、AE減水剤あるいは高性能AE減水剤の使用を標準としている。